#25 韓国偏重のNHKの国際感覚はおかしいよ
今月、台湾映画『海角七号』、日米・ボリビア合作映画『パチャママの贈りもの』の2本の映画を観ました。どちらも各地で賞を取ったなかなかの名画です。ミニシアターと呼ばれる映画館で、東京と大阪などで上映しています。
昨年は、『剣岳』、『九降風』(台湾)、『グラントリノ』(アメリカ)、『三峡』(中国)、『ベルサイユの子』(フランス)、それに家内の付き合いで『おくりびと』の5本を観ました。年間5本は私の生涯で最多新記録です。私は大阪で仕事を終えた時に、気が向くと映画を観ます。来月には韓国映画『牛の鈴音』を観るつもりです。
インターネットで映画名や「ミニシアター」で検索すると情報が得られます。
今回は、政治の生臭い話を休止して、一転、にわか映画解説者になります。
◇ にわか映画解説者になる
今月観た2本の映画と昨年観た映画の一部を紹介してみよう。
『海角七号』作曲家・歌手として実力がありながら、15年間台北で頑張った主人公がギターを叩き割って故郷に引き揚げるところから映画が始まる。台湾最南端の町、恒春の町と人々が生き生きと描かれている。ずぼらな郵便配達員の主人公が未配達の郵便を、周囲の人たちが代わって配達する職業意識に感銘する。日本人女性との恋愛もある。ロックやスローバラードの音楽も素晴らしい。
「なぜオレの実力が認められないのだ!」という叫びは諸君の共感を呼ぶだろう。
『パチャママの贈りもの』有名なボリビアのウユニ塩湖の村落に住む先住民父子が塩のブロックを切り出して近隣の村に運ぶ物語。父子は約20頭のリャマの背に塩を乗せて年に一度、3カ月のキャラバンに出かける。家族代々がやってきたことで、塩と穀物を物々交換する。村落間の相互扶助、父から子への伝承、人々の伝統的な生き方を淡々と描く。
最近、ウユニ湖で世界の埋蔵量の半分に相当するリチウムの鉱脈が発見されて開発が始まっている。経済開発が彼らの生き方に影響を及ぼすのだろうか。
◇ アメリカの映画と音楽
私が長年住んでいたアメリカの地方都市ではハリウッド映画ばかりで、まったく外国映画を観られなかった。私はハリウッドのアクション映画は嫌い。
ラジオではクラシックを除けば、ロック、カントリーウェスタン、ポップスはすべてアメリカ音楽だった。
他方、日本では外国映画も観られる。アジアの音楽も聴ける。しかし、最近ではカンツォーネ、シャンソン、タンゴを聴ける機会が減ったようだ。
アジアやヨーロッパの映画を上映するミニシアターは貴重な存在だ。ミニシアター、頑張れ!
NHK衛星テレビが昼に放映しているワールドニュースを時々観ている。その国の選択がおかしい。常時各国のテレビニュースを取り上げている国は、ヨーロッパではイギリス、フランス、ドイツ、スペイン、ロシア、アジアでは中国、ホンコン、韓国、タイ、ベトナム、それにアメリカである。
日本との関係の深さを基準にすると、いくつか疑問がある。なぜスペインとホンコンか?
スペインの時間をブラジルに充て、ホンコンを台湾に、タイ、ベトナムに代えてインドに置き換えるべきだろう。台湾から沖縄につながる海域は日本の安全保障にとって重要であり、日本人はホンコン情報より台湾情報をもっと知るべきだ。また、インドとブラジルは経済的関係も重要であるが、それ以上に国際政治の上で関係を深めるべき国だ。
因みに、ドイツ、インド、ブラジル、日本の4ヶ国は国連常任理事会に加わる共同提案国だった。私は自民党政権によるこの4ヶ国提案を高く評価している。日本1カ国が常任理事国に新規加入しても国連の改革にならないからだ。大戦直後の常任理事国体制が今もそのままであることは異常なことだ。諸君たちの時代には変わるだろう。
世間ではアメリカが日本の加入に賛成しなかったから実現しなかったと言う物知りがいるが、アメリカはドイツに反対したとメディアが伝えた。本当のことは私には分からない。
◇ 海外映画とドラマの国別偏重
NHKテレビに限らず民放テレビにも韓国ドラマが氾濫している。もともとはNHKが韓流ブームに火をつけた。その後も止まらない。私は連続ドラマの一部と映画を観たことがあるが、作品の質は高い。
ある日、偶々台湾のドラマを民放テレビで観た。安っぽいコメディだった。私は台湾によく出かけ、言葉は分からなくても台湾のテレビを観る。ドラマにはもっと良いものがいくつもある。日本のテレビには台湾のドラマや映画が放映することがないのに、一つ取り上げられたドラマが安っぽいものでは、諸君たちは韓国に比べて台湾はレベルが低いと思わされるだろう。
韓国に偏重しているテレビの現状を台湾や中国の映画も放映してバランスを取ってもらいたいものだ。
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