2010年1月13日水曜日

#23 決算書と自己管理力

 ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国、韓国、日本など世界的に寒波が広がっています。ひょっとすると、地球寒冷化現象なのでしょうか。
 大阪は寒いと言っても零下にはならず、空気が澄み切って快晴が続いています。札幌、富山、アメリカ東部の降雪寒冷地に住んできた私から見れば、まだまだ大阪の冬は暖かい。アメリカで零下(サブゼロ)と言えば、華氏のことで摂氏マイナス17度になります。ひと冬に何回かシベリア急行と呼ばれる寒波が来ると、摂氏マイナス20度以下になります。町の街路樹の枝が氷結して陽を受けて美しく輝きます。
大阪は雪も天災もなく、あるのは人災ばかりです。

さて、一年の初めに一つの試みをやってみてください。


自己管理と解放の使い分け
 人生の中で自己管理は決定的に重要だ。そして、厳しい自己管理と解放の組み合わせが重要。
 私流では、目標を立て、その実現のために自己管理する中で解放の時間を持っている。解放を別の言葉で言い換えると、無為、怠惰、ぼんやり、リラックスなどとなるだろう。解放の時間には何でもいい、軽いことで考えを自由にめぐらしてみる。そのうち半分眠りに落ちると。こういう時にふっと発想が出てくるもの。頭の疲れも癒せる。
 一つ気になることは、携帯電話のこと。電車待ちのホームでチャカチャカ、電車に乗るなりチャカチャカと携帯をやっている若い男女、特に女が目につく。他人事ながら、あれは自由な解放の時間を逃がして思考力を落としている。もったいない。
 この間は、ミニバイクで走りながら携帯を見ている若者がいた。そんなに忙しいのか、頭を無にすることを無駄に思うのか?

決算書と家計簿
 経営において決算書と呼ばれるのは、損益計算書と貸借対照表、それに大企業では営業キャッシュフローの三つを意味する。ここでは損益計算書について絞ってみよう。
 損益計算書というのは、月度に管理し、年度決算で集約するもの。単純に収入と支出の項目を記載するだけで家計簿と同じ。これと併せて「予実管理」が使われる。毎月予算と実績を比較して、計画通りに推移しているかどうかを管理する。経費が予算を超えていれば素早く手を打つ。
 そこで、勧めたいことは一カ月でよいから自分で家計簿をつけること。一円たりとも見落とさずに完全を目指す。コンピューターでは一円も一万円も「違算」として出てくるから完全を期すことが諸君の腕を磨いてくれる。
 「家計簿なんぞ嫁さんの仕事で男がやることじゃない」という雑言に惑わされることはない。そして、一カ月を集約したエクセルの表を眺めて分析をしてみる。新鮮な発見があるはずだ。
 これは、個人事業を起こす、あるいは諸君が会社員として経理を任せられる時に基本となることで分析力が養われる。さて、諸君は一カ月の根気を持てるか?
 私も、古い話であるが、一ヶ月期間で2,3回やってみたことがある。手帳に出費を一つ洩らさずに記入してみる。この小遣い帳からそれまで見えなかったことが見えてきた。これ本当に根気が要るよ。

 優しい性格の友は言う。「克己心や根気も生まれながらの資質だよ。尻を叩くのは過酷ではないか」と。部下の中には必ずチャランポランでミスばかりする者がいる、怒鳴ったところで改まらないものだ。彼は自分への戒めにしたのだろう。この論理でいくと、人の資質はすべて生まれた時に決まっていることになる。
 また、別の友は言う。「オレのワイフは何をやらせてもええ加減。どうにもならんよ」と。
 新聞に出ていた「節約は精神の贅沢」というタイトルが目に入った。これを裏返して言うと、「浪費は精神の堕落」ということになるだろうか。諸君の声がきこえそうだ。「オレも一度でいいから浪費をやってみたいよ」と。私もそう思っている。


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