2019年10月9日水曜日

#211 韓国政府が危ない――ふたたび軍事クーデターの恐れ

 私は韓国の文大統領は北朝鮮病と反日病に犯された病人と思っていた。
た。しかし、最近では病人どころか狂人と思うようになった。
  日本政府は狂人が相手では大変。 
 「つかず離れず」から「つかずつかず」で韓国政府の交代を待つしかない。
 
 ◇ 韓国の高揚と緊張の時代 
  韓国では1961年5月に軍人によるクーデターが起きた。当時、民主党政権下で 政治が緩み、経済が悪化し、北朝鮮との統一運動が高まっていた。軍隊では高級将校の間で不正腐敗がはびこっていた。  
  この時、中級将校によるクーデターグループが結成され、朴少将(パク・チョンヒ、後に選挙で大統領)がリーダーに選ばれた。失敗すると死刑を免れない危険を覚悟した軍人たちはクーデターを成功させた。その後日韓協定により国交回復、日本政府からの 巨額の経済援助を元に産業を振興し、「韓江の奇跡」と呼ばれる経済発展を実現した。
  私は70年代前半、韓国に頻繁に出張していたが、当時は建国の気運が高まり、朴大統領は国民に贅沢を戒めた。他方、月に一度「米を食べない日」を設定し、突然昼間にサイレンが鳴ると建物内に避難を求めて緊張感を持たせるようにした。 
 私はタクシーに乗っている時、サイレンが鳴り、運転手が私を社内に残して建物に逃げた。何事か分からない私もタクシーを降りて近くのビルに駆け込んだ。 
 高揚と緊張の時代だった。

 ◇ 厚遇を受けていた日本人出張者 
  韓国企業は政府の経済振興策に応えて猛烈に設備近代化を進めて日本企業から設備を買い始めた。ヨーロッパのメーカーに比べて操業までの面倒見が良い日本メーカーから競って買った。頼りになる日本メーカーは優位に輸出した。私もこの追い風に乗って実績を上げた。 
 韓国の代理店も日本メーカーを重視して日本メーカーとの契約を重視した。日本からの出張者を厚遇し、厚い接待をすることが常だった。この時代の出張者は妓生パーティ (夜のセックス付き会食)のもてなしを受け、黄金の時代だっただろう。
  私は大量生産品の販売に注力していた代理店を設備販売から外す戦略を考えていたので、夜の接待を辞退し、出張に同道した担当者と焼肉を会食する接待を受けるにとどめていた。韓国の大企業は資本設備の取り引きに韓国の代理店も日本商社も入ることを嫌っていたことを私は知っていた。
 後日、成約できそうなプロジェクトについて商社抜きの直接取引に徹した。これに成功したが、代理店は反発したので、社長を繰り返し説得し、集金後にバックマージンとして成約額の5%を支払うことで合意してもらった。夜の接待を固辞してきた私には借りがなかった。 
 後日談。会社を辞めてから、高校の同級生から台湾と韓国の案内を頼まれた。彼はソウルでロータリークラブのメークアップ(例会の埋め合わせ)のために、ソウルの会に出席した。会員の専務が車で案内してくれた。さらに次の日には社長車で空港まで送ってもらった。

 ◇ 韓国政府が危ない 
 文大統領の北朝鮮病は重くなるばかり。先の国連演説でも北朝鮮との統合を力説した。どの国からも共感を得ていないことを彼は分からない。 韓国でも支持されていないだろう。国民のとっては北朝鮮より内政改革が問題なのだ。 
 さて、今日の状況はクーデター時代と酷似している。軍隊の不満は聞こえてこないが、これまで命がけで北朝鮮と共産主義に対峙してきた軍隊にすれば、文大統領政権の北朝鮮との統合は考えられないことであり、反感を強めているだろう。軍隊こそ腐敗していなくとも、家族と親族が疑惑で泥まみれのチョ法相を任命した文大統領の政府に不信感を持っているだろう。 
 来年4月の選挙で与党が勝てば、軍隊が動くかもしれない。

 アメリカの防衛戦略「アチソンライン」 
 アチソンラインとは、日本の敗戦直後に新たなアメリカの防衛戦略として発案され、北海道から台湾までの日本海に防衛線を敷くというものだ。アチソンは当時の国務長官。目的はソ連と中国の共産主義からの防衛だった。
  最近、アメリカは韓国に対し、米軍駐留の負担を現在の5倍に増額するように要求した。とても韓国が負担できる要求ではない。 私の推測ではアメリカ政府は韓国から米軍の撤退を目標にしていると思う。文政権は北朝鮮志向を強めているし、情報交流協定(JSOMIA)も破棄したから、もう同盟国てあるとは言えないから、これは当然の帰結だ。
  他方、北朝鮮は長距離砲と低空短距離ミサイルで韓国全土への攻撃を実現した。これに対しては韓国軍も米軍も防ぎようがない。つまり、米軍による韓国防衛は意味がなくなった。一歩引いてアチソンラインを防衛線にするのだ。結果として在日米軍の戦力を高めて空母の基地を横須賀から佐世保か沖縄に移すかもしれない。
  滞米中に住む町の内外でアメリカ人の知友人に、もし北朝鮮が韓国を攻撃したら米軍は参戦すべきかどうか訊ねてきた。例外なく反対だった。統一ベトナムの今日を見るなら、アメリカの兵士を送ることは無駄なことだという。ベトナム参戦の口実に共産主義の伝播から守ることが使われたが、今日では共産主義の脅威がないからだろう。

 ◇統一朝鮮は現実化 
 中国政府は陰で北朝鮮を支援しながら統一朝鮮を狙っている。漢族の中国人を半島に移住させ、いずれホンコン化するだろう。しかし、武力を持たないホンコンと違い、強力な軍事力を持ち、反対勢力がある韓国を朝鮮として統合することは容易ではないだろう。 
 日本は朝鮮半島が統一されても感情を廃して論理につけば恐れることはない。アチソンラインを防衛すればよいのだ。さらに日本が朝鮮の直接の敵国にされないように外交力に尽力でき 

 ◇ 感情(非論理)9分、論理1分の韓国政府 
 韓国政府の論理軽視はひどい。理解に苦しむことが多い。  
 例えば、徴用工問題に対して日本企業に賠償を求め、さらに韓国における資産を売却するという。もう日本企業は韓国に投資しなくなる結果を招き、韓国経済に打撃を与える。
  慰安婦問題。両国間で合意され、日本政府は韓国政府の機関が慰安婦に補償することで10億円を拠出したが、半分使っただけで機関を廃止した。論理から言えば、日本政府は5億円の返金を要求すべきだった。
  日本政府の輸出管理強化。7月に韓国がつくれない高度製品3つについて事前審査の強化を実施したところ、韓国政府は不当な貿易禁止で徴用工問題に対する報復だとしてWTOに提訴した。
 同月下旬、韓国政府は輸出管理にそれまで問題があった韓国企業30数社を摘発した。WTOの裁定に不利になり、日本政府の措置を裏付けることをなぜやったのか分からない。

◇ 韓国より日本の被害が大きい?
 韓国政府は一連の日本政府の対応では日本経済の方が 被害が大きいと言っている。経済力から見ればこんなことを言えるはずがない。韓国政府の論理はおかしい。多分国内向けの発言だろう。  
 挙げればまだまだある韓国政府の論理に反する事例だ。
  他方、政治の世界だから甘いと言われるかもしれないが、日本政府は感情1分、論理9分についていると思う。

 ◇ 韓国とは協議離婚 
 こんな感情の国と国交断絶を主張する意見があるが、あまりにぎらつくから、私は静かに協議離婚で対処することが良いと思う。これが夫婦なら協議離婚になることは明らかだ。               (完)    

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