2009年4月29日水曜日

#3テレビ「草彅事件とNHKテレビ」

 4月24日の午後7時のNHKテレビニュースはひどかった。前夜に起きたSMAPの草彅剛酔っぱらい事件に関する報道です。私は何を書いても世間を騒がす事件に悪乗りすることは嫌いで、これまで一定の距離を置いてきましたが、ここでは自戒を破って悪乗りします。若者の皆さんはどう受け止めたでしょうか。

 7時のニュースはNHKの看板ニュース番組で、1秒を惜しんで重要な出来事で編集しなければならないのに、草彅事件をトップニュースとして何分間も報道した。彼が飲んでいたバーや公園の映像に加えて詳細な周辺地図まで付けるというしつこさ。誰がここまで知りたがる? NHKは世間感覚からずれているのだ。
観ているうちに、「何をやっているんだ!」と腹が立った。ニュースの中では、「公然わいせつ罪」、「容疑者」、「現行犯逮捕」、「家宅捜索」という言葉が躍った。これじゃ間違ったイメージを与えられることは必然。蓋を開けてみると、暗闇の中で素っ裸になって大声を上げていただけ。銀座の通りを昼間に裸で飛び回っていたのではない。草彅クンならぬキミらの中にも他人事とは思えなかった人もいるだろう。
 私の推測では、常軌を逸したように見える警察は、「すわっ、麻薬が絡んでいる」と早とちりしたせいではないか。
 ニュースで流された鳩山総務大臣のコメントもひどかったな。たとえ草彅クンが地上デジタル放送の広報モデルとして総務省に起用されていると言え、「心頭から怒りを感じる」というのはこういう場合に使う言葉ではなかろう。私が大臣なら、「芝の上に裸であぐらをかいて気持ち良かっただろうな。親子とも風邪をひかなくて良かった。しかと不注意を反省してほしい」と言うだろう。かんぽの宿の安売りと東京中央郵便局ビル建て替えにクレームを付けて男を上げた大臣にはユーモアがほしかった。

 SMAPに一言。テレビ局や世間に迎合するなかれ。草彅をしっかり守って団結を強め、この際、音楽性を一段高みに上げるためコーラスの練習をやってもらいたい。テナー、バリトン、バスの三部でなくとも、高音と低音の二部で曲にハーモニーを付けて歌ってほしい。自分たちの曲にも、歌謡曲にもハーモニーを付けると美しい曲がある。ビートルズのハーモニーは美しいよ。

 NHKでは管理者の力が弱いようだ。草彅事件について、騒ぎがおさまると、周囲では私の意見と同様の声が出ている。それにしても、ニュース編集の段階で、「しつこ過ぎる」、「時間を取り過ぎる」と言う管理者は一人としていなかったのか?
 最近、NHKテレビに日本語の乱れが多い。これも管理者のレベルが落ちている証だろう。ひょっとすると、管理という仕事を分かっていないのかもしれない。
 NHKに限らず、民放もカタカナ外来語の濫用がますますひどくなっている。一つ例を挙げると、「地デジ」がある。せめて国語の範たるNHKは地上デジタルと正しい用語を使うべきだ。「チデジ」と略して1秒も短縮できないのだ。私は初めて「チデジ」と聞いた時、そんな痔があつたのか、と思った。
 NHKが会ではなく、本語会にならぬよう改革を望みたい。

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2009年4月20日月曜日

#2北朝鮮「キミらの時代にはどうなる?」

私は「若者塾」の執筆頻度を高めたいと思っていますが、今回も月刊誌並みになってしまいました。本当に日が経つのは早いものです。今回は北朝鮮をテーマにします。
 
私は北朝鮮問題の専門家ではないから、キミらの信頼にはならない。メディアが伝える情報しか持っていない点では、大阪の民放テレビのワイドショウに出て政局や国際問題をガヤガヤ話しているお笑いタレントと変わりません。ただ、私は距離を置いて見られる自由な発想が取り柄か。
 さて、今回の北朝鮮によるミサイル発射は、人工衛星の打上げ失敗ではなく、彼らの言うように成功だっただろう。なぜなら、始めから改良型テポドンの飛行距離、燃焼と目標地点到達の制御技術を確認することが目標だったと考えれば、彼らには充分の成果だったのだ。これでアメリカに対する瀬戸際外交の交渉力を強化できることに加えて、かねてから噂されるシリア、イランなどにさらに高価なミサイルを輸出することによって外貨を稼げる。
 これまで北朝鮮の外貨稼ぎは、武器、麻薬、偽ドル札の三品であったが、国際的な監視強化で絞められてきた。ミサイルと核はこれからの有望商品になるのか。ほんまに恐ろしいな。
 韓国の太陽政策も実効なし、六ヶ国協議も北朝鮮には通用しそうもない。この国はすべて自国の利に使うだけで、協定に合意したところで約束を守らないので、手に負えないように見える。
 背景には、中国は北朝鮮の兄貴、ロシアは義兄みたいなもので、韓国、日本、アメリカとは距離を置いていることがある。もし、北朝鮮に政変による混乱が生じれば、中国だけが合法的に北朝鮮に進軍できる。「北朝鮮領内にある自国の資産を保護し、治安を回復する」という名目があるから。韓国にも資産保護の名目があるが、とても手を出せる相手ではない。
 政変が起きるか?金将軍はいつか死ぬから政変は起きるだろう。しかし、直ぐに大混乱が起きるとは限らない。独裁者国家の体制というのはなかなか強固なのだ。北朝鮮は人口2330 万人のうち、正規軍が117 万人、予備役が50 万人。首都ピョンヤンの人口は320 万人。独裁者体制は、軍隊約170万人と首都の320万人を支配すれば容易には崩れない。
 世界では独裁者政権に対し、国外に亡命政権ができたことがあるが、例えば、日本に亡命政権を、仮に形だけでも、つくる動きはない。むしろ朝鮮総連は現体制を支援している。総連の若い世代は北朝鮮がこのままでよいとは思っていないだろうが、行動を取ることは難しい。日本政府もそれを望まないだろう。
 結局、北朝鮮の民主化は我々シニア世代の時代に起きることはなく、キミらの世代に持ち越されそう。とは言え、GDPが韓国の1/20に過ぎない北朝鮮が、核やミサイルの開発を含む軍事費に耐えられなくなる日は必ず来るに違いない。

 先日、大阪市立科学館で全天空に映される特別映画『はやぶさ』を観た「はやぶさ」は2003年5月に打ち上げられた小惑星探査機で、宇宙空間に漂う長さがわずか300メートルの小惑星「イトカワ」にピンポイントで命中させる離れ業をやってのけた。しかも、小惑星に軟着陸させ、金属球を地面に打ち込み、舞い上がる岩石くずを回収して日本に持ち帰るというのだ。「はやぶさ」は7年に及ぶ旅から来年日本に帰還する予定。ここで最もすごいと思ったことは、噴射の補助エンジントラブルや通信断絶のトラブルに見舞われながら、地上の管制本部から遠隔操作でバックアップ機能を使って修復する技術だ。機械の設計も、軌道計算通りに命中させるエンジン制御もさることながら、トラブル修復のソフトが素晴らしい。
 大阪の知力がつくったこの映画をキミらに勧めたい。きっと感激するよ。

 「はやぶさ」の技術は、北朝鮮がそれなりに努力したとしても、ロケットを打ち上げて地球内の目標地に落とすだけのミサイル技術とは比較にならない。そう思いませんか?
                                 (完)

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