2019年4月27日土曜日

#208 極右分子が恐い――右翼政党とは違う

  本稿#206では右翼政党が台頭しそうな政治の背景について書きました。批判を覚悟していましたが、意外にも共感者が多かったったのです。ただ、一人の友達から「いつから右翼に転向したのか?」という意見がありました。
  本稿#206を読んでもらえば分かることですが、私は労働党の提唱者であることに変わりません 愛国党と労働党ができれば私は労働党に党員登録をします。

 ◇ 極右グループの恐れ 
  浅沼稲次郎社会党委員長が山口二矢によって刺殺されたのは1960年のことで、それ以来政治家の暗殺は起きていない。山口は右翼団体に属していたが、単独犯とされた。 父親は自衛隊の一等陸佐(旧軍の大佐)であったが、当時は反共の高まりがあったので父親の教育も及ばなかったのか。 
 さて、問題は、ソ連時代の共産党独裁が終わった今、愛国者には反共より総花政治の自民党政治に不満を持っている。野党はていたらくで頼りにならない。彼らの吐け口がない。社会も緩んでいる。危険な状況だ。 
 私はせめて政党として彼らの受け手になる愛国党の存在が必要と思っている。法定下の政党であれば、暗殺はしないだろう。
  はねっかえりの愛国者による暗殺を防ぐことは難しい。 
  諸君が「日本の伝統」、「大和民族」、「外国人排斥」、「神道の国」の言葉が出回るようになったら危険信号と受け止めてほしい。 

 ◇ 政府の韓国外交が手ぬるい
 巷では韓国との国交断絶を促す声が強い。従来の韓国政府の敵対行為に加えて、東北の農水産物の輸入禁止継続から日本の国民は韓国政府を許さない。さらに、レーダー照射の誤りを認めて謝罪するどころか、今度は火気で自衛隊を攻撃すると言う。 日本政府は情勢をさらに悪化させたくないので、慎重に対処している。アメリカ政府のプレッシャーもあるだろう。
  しかし、安倍首相は「断固として対応する。外交ルートを通じて厳重に抗議する」と言うだけで、現実には何もしていない。国民の多くは同じ思いだ。

 ◇ 民間にはやれることがある 
 前述の話。韓国政府が東北の農水産品の輸入禁止を続けるなら、解禁になった後も東北人が輸出を止めればよい。その間に韓国以外の輸出先を開拓するのだ。おそらく既にやっているだろう。  韓国のテレビニュースを観ていたら、昨年714万人の韓国人旅行客が訪日したのに対し、日本人観光客は230万人しか韓国に行っていない。今年はもっと減るだろう。  面白いことは、ソウルで韓国人の一人が「なぜ日本人は韓国に来ないのか?」と言っていたことだ。まさかとは思うが、韓国のメディアは韓国政府が日本に対して行っていることを充分に報道していないのかもしれない。  私のお勧めを一つ。釜山(プサン)市役所が徴用工像を条例に従って廃棄した。今の韓国では珍しいことだ。これに応えて日本人観光客は釜山に行こう。ビルが乱立するソウルはただの大都会であるのに比べて、プサンは港町として風情があり、魅力的だ。古都の慶州(キョンジュ)にも近くてバスで行ける。
  韓国詣でをする若者諸君よ、これほど日本のメディアが韓国政府の反日を報道している中、よくもまあ韓国に行くものよ。アジアに行きたいなら台湾に行くといい。香港と違って台湾は立派な国家であることを知るだろう。 政民分離を唱える私でさえ韓国に行かない。 

政経分離と政民分離
 政経分離というのは昔から言われてきたことで、中国で広範にビジネスを持つ日本企業を保護するために日本の政府と経済界が唱えてきたことだ。つまり、日中関係が悪化してもビジネスに影響が及ばないように配慮した政策だ。
  しかし、相手が韓国となれば話が違う。官民が一体になった韓国の日本攻撃に対して今や日本企業も考えを改めなくではならない。日本企業も被害を免れないが、それより韓国経済の被害が大きい。韓国政府は北朝鮮外交が柱で、国内経済の改革にはまともな政策を取れない。いずれ文大統領は支持を失う。 
 1年前、徴用工問題で訴訟されている日本企業に対して、韓国から撤退することを提唱した。どれだけ対応したか?すでに資産を没収され始めている。在韓の日本企業は製造から撤退し、子会社を営業所に降格、日本人駐在員と家族を引き揚げさせ、現地の経営は韓国人に任せる。今からでも遅くはない。北朝鮮との戦闘が起きても自衛隊による救援を認めない韓国政府に対しては当然のことだ。
  韓国民とともに文大統領を退陣に追い込むことになるだろう。そうしなければ日韓関係の修復は難しい。
  他方、政民分離は私が唱えていることで、せめて韓国民が受ける被害を少なくするための配慮だ。「韓国憎し」が韓国民に及ばないように日本ができることだ。

 ◇ 6月にデモをやろう 
 6月にG20に各国の首脳が大阪で集まる。その前の3日間くらい連日東京の韓国大使館と大阪の総領事館に「文大統領の訪日反対」を掲げて大規模なデモを仕掛けよう。 政治に無関心な若者諸君もどれだけ参加するか?日本人の意地をどれだけ示せるか?                  (完)

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2019年4月7日日曜日

#207 プロ野球が開幕した――長年の疑問、ダウンスウイングとは?

  例年、オープン戦が沖縄から北上してくることにわくわくしたものです。ところが、最近ではわくわくすることが少ないのは歳のせいで感性が鈍くなってきたのかもしれません。  私は年来広島カープ(正式名称は広島東洋カープ)のファンで今でもそうです。詳しくは後述します。一昨年にはエースの前田が大リーグに移り、今年は主力打者の丸が巨人に移籍しましたが、新人選手の育成が巧いカープは今シーズンも首位争いをするでしょう。 開幕3連戦では巨人に1勝2敗、「くそおもろくない」。
  今回は重い政治の話題をひと休みして野球の話をしてみましょう 。

 ◇ 異色の経営に徹する広島カープ 
  カープは2リーグに分裂した1951年に設立された。この時代の事情は戦前に日本プロ野球に台湾人として初めて入った名選手をモデルにして書いた拙著『人間機関車・呉昌征』の中で詳しく書いている。本書は2009年に台湾で刊行されたが、日本では呉昌征は知られていないので売れないという理由でまだ日本語版は出ていない。しかし、本稿『若者塾』で書名をクリックすると日本語で読んでもらえる。 
 さて、2リーグに分裂した時に広島東洋カープが加入した。主な株主は車メーカーの東洋工業だった。今も球団名に東洋が入っているが、過半数の株主は創業家の松田一族であり、車のマツダが少数派株主であるからだ。事実上は親会社ではない。
  今日まで球団は独立採算で経営されている。 大リーグ選手を採らず、ドミニカ共和国に選手養成のためカープアカデミーを保有し、外国人選手はここからカープに入団させている。

 ◇ ダウンスウイングとは何か?
  1961年春に川上監督の巨人がドジャースキャンプから帰国した時、ダウンスウイングがもたらせてマスコミが大きく取り上げた。しかし、球界には広がらなかった。 今思えば、バットを振り下げて打つことばかりが強調されて、もう一つの大事なことが見落とされていた。それはボールの中心の下を打つことだった。野球通によると、選手は外野フライが増えることを恐れたとも言われる。
  対米中のある日、ヤンキースの試合を観ている時、ヤンキースの4番打者A・ロドリゲスが低めのボールをダウンスウイングでホームランを打った。アッパースウイングでないことに私は何か感じたが、この時はよく分からなかった。 
 A・ロッドは生涯ホームラン696本を打ち、大リーグ歴代4位の強打者で、MVP3回、本塁打王、打点王2回,首位打者1回のタイトルを取った。
  他方、薬物の嫌疑がかかり、1シーズンを棒に振った。徹底して身の証を立て復帰した。 
 珍しいことは、彼は現役時代から26歳の時、AROD CORP.という不動産会社を設立し、現在850のアパート(日本ではマンション)を持つ。「この会社経営のために全力で野球をやった」と言っていることだ。(FORTUNE COM. 2017年 8月1日号)

 ◇ 私のホームラン体験三つ 
 中学校3年の時、校内クラス対抗のソフトボール大会があった。不公平のことだが、 野球部現役選手でしかも4番打者の出場制限はなかった。何度目からの打席で大きなホームランを打った。打球ははるか校舎の1階と2階の間の壁を直撃した。
 みんな飛びすぎたことを残念がり,「もう少し飛ばなければ1階の職員室のガラス窓を破ったのに」と言った。 
 なぜあんなに飛んだのか?  
 二つ目は、高校を卒業した年、千葉に住む従兄から湘南海岸に招いてもらった。 
 砂浜でソフトボールを始めた時、従兄は「あなたはセミプロだから左で打て」と言われた。 
 最初の打席で経験がない左打席で打った。軽く打って手ごたえもなくスコンという感じだったのに、打球は砂浜を越えて林の奥に飛んでいった。スペアのボールを持たなかったのでソフトボールはこれでおしまい。 
 なぜあんなに飛んだのか? 
 三つ目は、転勤で東京から富山に住むことになり、社内の職場対抗のソフトボール大会に出場した時、相手は現場のチーム。スポーツに秀でた選手をそろえる現場チームに技術者主体のチームは勝ったことがないという。6イニングだったか、走者一人を置いて打球は外野の塀を越えたホームランを打った。それまで野次が賑やかだった場内はしーんと静かになった。この試合に逆転で勝利した。
  数年前、初めて出席した職場のOB会に出た時、当時を憶えていた一人から「伝説の人が帰ってきた」と言われた。スポーツ万能の彼は私より一つ年下だったが2年前に癌で亡くなった。
 なぜあんなに飛んだのか?

 ◇ 高校野球部の諸君へ
  帰国して大リーグのテレビ中継を観ていた時、投手が討ち取ったと思う外野フライが空中高く舞い上がりホームランになった。大リーグではフライのホームランが多く、滞空時間が長い。そのために外野手が塀際でホームランを阻止する美技が多い。
  他方、日本のプロ野球ではライナーかハーフライナーのホームランが多い。そのため外野手が塀際の美技を見せる機会が少ない。
  私は高校野球部の練習をよく見てきた。いつも疑問に感じたことは、打者がティの上に乗せたボールを短い間隔で打っていることだ。これは腕力を鍛えられるかもしれないが、打った後のフォロースルーも中途半端で、何よりもボールの中心を見ている。数を打っても打力の足しにはならないだろう。
  ゴルフでもこんなフォロースルーでは球を遠くに飛ばせない。 
 もし君が中長距離打者ならボールの中心のすぐ下を狙うことに変えてみるといい。

 ◇ なぜあんなに飛んだのか? 
 体格が大きくない私が重いソフトボールをなぜ飛ばせたのか?
 気づくのに時間がかかった。しかし、後年やっとそれが偶然ボールの中心の下をたたいていたせいだと分かった。3本のホームランはどれも高く舞い上がるフライだった。         (完)    

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