2009年8月31日月曜日

#10 女子プロ野球が設立

総選挙の各党キャンペーンが高まる最中、8月25日、関西に女子プロ野球の設立が記者会見で発表されました。本当に大丈夫か?と首をかしげました。
 経営と並んで私の専門分野であるプロ野球の改革については、メディアではほとんど取り上げられることがないので、「若者塾」で一つの大テーマとして今後も継続して書いていきます。友達の間でも、「プロ野球の話はおもしろい」と言われます。逆に、他の話はおもしろくないということなのか?どちらであれ、このブログを一人でも多く開いてもらう効果を期待して前向きに考えることにします。
 
 総選挙は予想された通り、民主党が大勝しました。私の考えでは、民主党が勝ったというよりは、自民党が勝たせたのです。つまり、自民党による長期政権が限界に達し、人はより大きな変革を求めた結果が出たのだと思います。
 95年に帰国以来、国難の時代ととらえて自民党に期待し、支持してきた私でさえ、今回の政権交代を新鮮に感じています。メディアの政治報道が静まったら、次回では私の考えをまとめるつもりです。
 選挙の後には、各候補には事務所撤収、経費支払い、収支報告書提出などの後始末の仕事があります。特に、落選した無所属候補にはこの敗戦処理は辛い。心から労をねぎらいたい。

  
  関西に女子プロ野球が設立 

 本稿#7でプロ野球関西独立リーグの大阪か神戸の球団が、いずれ移転を余儀なくされると書いたのは7月11日。それから一ヵ月後、大阪球団のオーナーが経営から撤退することを表明し、新オーナーを求める事態になった。
 これに先立つ6月にはリーグ全体の運営会社が撤退し、その後リーグ代表が新加入の三重球団の経営者に交代した。新代表はリーグの名称を「関西独立リーグ」から「関西・東海リーグ」に変えることを表明。リーグが関西から東海にシフトするという方針は経営者として正しい判断と言えよう。いずれ球団の立地が三重、和歌山のほかに岐阜、大津、奈良のどこかに移転することになるだろう。新リーグ経営者の手腕に期待したい。
 さらに、総選挙キャンペーン最中の8月24日、記者会見で関西に女子プロ野球設立の発表があった。京都の健康食品会社「わかさ生活」が支援し、資本金3億円で「日本女子プロ野球機構」が京都と他の都市に立地する2球団で、来年4月に開幕するという。
 代表は、1球団に1億2~5千万円の運営費がかかると予測しているから、それ相応の覚悟をしているようだ。他方、「チケット収入をあてにしない運営」という方針を示した。しかし、スポンサー会社の寄付頼りで、チケット収入をあてにしないというのでは、自助努力のモティベーションが生まれない、言いかえれば、強い利益志向が伴わない運営が本当に可能なのか?
 リーグ存続を安定化するためには、本当は資本金を基金にできればよいのであるが、それでも年利10%の高率で3億円を運用しても3千万円の年間運営資金ではあまり足しにならないか。資本金は食われるのに対し、基金は温存されることに違いがある。

 ここで、私が在米時代に観たアメリカ映画「プリティ・リーグ」のことを話してみたい。
 この映画は、戦時中の1943年に設立された女子プロ野球を題材にしている。女子プロ野球リーグは当初4チームからスタート、48年には10チームに拡大されて年間に観客90万人を集めるほど人気が出た。
 当時は女性には肌の露出が抑制されていた保守的な社会であったために、女子選手がショートパンツで長い脚の素肌を見せる姿に男の観客が興奮したのだという。その後ビキニが流行するようになると、女子プロ野球が衰退した。というのは、私のジョークで、本当は大リーグ野球が復興するとともに、54年に「プリティ・リーグ」は解散された。因みに、アメリカでは60年代初めまでビーチでビキニが禁止されていた。
 知らなかったことであるが、50年代初めの日本にも女子プロ野球があった。

 本命のプロ野球は約30試合を残し、終盤に入った。プロ野球経営の視点からは、シーズン後にひと波乱起きそうな予感がしている。

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2009年8月9日日曜日

#9 見えてきた総選挙の行方

 前回で高齢者の政治的影響力について書きましたが、それから間もなくして損害保険会社が70歳以上の高齢運転者に対して保険料を値上げする方針を発表しました。
 若者世代の保険料が高く設定されているのですから、私はものの道理から賛成です。なぜかと言うと、保険ビジネスというのは、すべて確率・統計に基づいているので、事故率が高い一定のグループに分けて保険料を算出することは当然であり、若者グループだけを高くすることは片手落ちだからです。
 私は来年70歳になり、値上げされる保険料を適用されます。ゴールド運転者ですからいくらか割安になりますが、運転免許取り立ての高齢者は保険料がまともに高くなります。若者グループも5年間の安全運転の実績が出るまではゴールド運転者になれないのです。
 ただし、保険料値上げには政府の認可が必要だから、陰の行政指導によって各社が保険料を一律にすることに対して警戒が必要です。必ず各社から合見積もりを取りましょう。

 いよいよ総選挙まで3週間、すでに街頭では選挙戦に入っています。今回はばらばらの話題を書いてみることにします。皆さんの参考資料にしてください。あくまで、参考です。

 
 見えてきた総選挙の行方
 
◆ 先般、法制審議会が成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げることを諮問した。これは民法だから、関連の法律が300以上になり、改正が実現するまでには何年もかかると言われる。因みに、昨年成立した国民投票法では投票権が18歳まで含まれることが決まっている。
 世界ではすでに18歳になっている国が多いが、アメリカでは州毎に18~21歳に分かれている。しかし、50州のうち45州では18歳になっているから、いずれ全州で18歳になるだろう。私が滞米中に知った議論では、18歳から徴兵制が適用されるので、選挙権も18歳にすべきだという理由が主流だった。しかし、私の周囲では18歳の成人は未熟だという意見が多かった。
 個人差がある成熟度は、18歳が一律に未熟だとする意見には疑問がある。逆に、20歳なら成熟とする意見にも疑問を持つ。いずれにしても難しい問題だ。

◆ 前回、郵政選挙と言われた総選挙で、通りがかりに梅田で小泉首相の演説に出くわした。大変な人だかりの中で、ギャルの群れが携帯電話やデジカメで首相を競い合って撮影していた。彼女たちは演説をどこまで聴いていたか? 投票に行くのか? 彼女たちは未熟さもあろうが、政治について無知か無関心が問題なのだ。私はこんなことを考えていた。
 法制審議会の諮問に対して、若者世代には「関係ない」、「18歳も20歳も変わらない」というコメントをメディアが伝えていた。私も18歳も20歳も変わらない、という意見を持たされる。かつて江戸時代には、20歳で年増、30歳では大年増と言われたという。なんで日本の若い女はあんなに子供っぽいのだろうか。

◆ シンガポールの首相だったリー・クワン・ユーがどこかのスピーチで、「独身者は1票、家族持ちには2票を与えるべきだ」という発言をしたことが、アメリカのメディアが伝えたことがある。アメリカでは、もともと一党独裁体制を敷くリー王朝は人気がない。彼もアメリカ嫌いなのか、渡米した話を聞いたことがない。それが日本では対照的に彼は高名だ。
 因みに、日本で女性に選挙権が与えられたのは、戦後の1947年のこと。戦前には一定の税を納める者に選挙権が与えられた時代があった。

◆ 自民党も民主党もあるべき国政の政策より選挙戦略を優先して、次世代にお荷物を残すようなバラマキ政策ばかり。民主党は右から左までの寄り合い所帯だと批判されるが、自民党もすでに内情では変わらない。
 どうやら今回の選挙では野党が本格的な政権を取る見通しになってきた。民主党政権に対して、二つだけ注文をつけたい。
 一つ目は、高速料金の無料化。こんなことをしたら、経済・経営の原則から大きく外れることになる。高速道路の利用者が受益者負担をしないばかりでなく、日本の大きな運輸体系にマイナスになるからだ。次世代のためには、道路、鉄道、フェリー、航空を総合した運輸政策を考えなければならない。世界的に見ても、四つの主要な島が海に囲まれる日本ほど、大型コンピューターを駆使してこういう総合政策を打てる国はない。早い話、せっかくここまで育ってきたフェリーが受けるダメジをどうするのか?    
 二つ目は、子育て支援と高校の授業料をタダにすること。バラマキ支援ではなく、弱者救済に絞るべきだ。苦しい人が自ら申請して支援を受ける形にしない限り、単に社会規律の緩みを招くことになる。
 民主党政権は、4年間の期間を前提にし、政権に就いて誤りと知れば、逞しい良心に従い、公約を変えることにためらうなかれ。4年後、公約の実行率5割なら充分に評価できる。

◆ 私の分裂投票。前回の総選挙では小選挙区は民主党候補、比例区は自民党に投票した。衆議員の補欠選挙でも民主党候補に投じた。彼は2回続けて落選し、惜敗率が70%を超えたにも関わらず、復活当選できなかった。地方では60%の惜敗率で比例区に復活当選した例があるのに。
 今回はどちらも民主党を選ぶつもりであるが、民主党の鳩山、菅、小沢の3幹部は勇退して次世代のリーダーがいいと願っていた。ナンバー3から上がってきた鳩山代表に挑戦の機会を与えてみたい、長くブルペンで投げてきた鳩山投手に実戦で先発の機会を与えようという気持ちだ。民主党の経済政策と外交・安全保障政策には甚だ不安を感じるまま、「ここは自民党より新政権の方がまし」という世論の大勢に従おうと思っている。国政を担うことになれば、政策が変わるだろう。
 それにしても、論理、あるいは原理・原則を重視する私自身、選挙の苦労人に返り咲きしてもらいたいという情実に左右される。選挙とは難しいものだ。(完)

 
 

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