2019年9月14日土曜日

#210 外国人労働者は要らなくなる――国内に余剰労働力がある

 当地富山にしては、珍しく猛暑の晴天が10日以上続き、部屋を冷房したところで疲れて、書く気力も読む気力も減退しました。ここ二ヶ月は初めて若者塾を一つも書けませんでした。昨日は待望の雨が降り、一息つきました。 
 いらいらと憂鬱に悩まされている時、友達から電話があり、「大丈夫か?」と言われました。私は冗談で精神科に診てもらわないといけないと面白半分に言ったことが、精神科に通っているとなり、大阪の友達の間で広められました。
  しかし、幸いなことに、精神科(まだ診察券なし)の世話にならずにようやく執筆を再開しました。  今回は外国人労働者について書きます。

 ◇ 中小企業経営者が人を雇えない? 
 中小企業が人手不足を訴えて、外国人労働者の雇用を訴えているが、政府は鵜呑みにし過ぎている。発想を変えて周囲をよく見るといい。
  このまま受け入れては、自治体が迷惑するから、技能実習制度による自然増に任せればよいのだ。 
 地方の自治体は、言ってみれば、過剰反応で数ヶ国語で対応できるように外国人を雇っている。外国人の日本語教育支援と英語資料(災害への備え)の充実でよいのだ。要するに、日本で働くためには、外国人の自主的努力が基本だ。
  企業経営者は次に述べる日本人の雇用を優先し、そのために自社の環境改革にもっと傾注すべきだ。

 ◇ 国土の強靭化と潜在労働者の活用
  政府は災害対策として国土の強靭化を推進している。
  しかし、これはハードウエアであり、同時に人心の強靭化を進めなければ片手落ちだ。 外国人労働者より日本人の活用が大事だ。
  日本の潜在労働力の洗い直しを政府に求める。例えば、中高年者のひきこもりが120万人、フリーターが150万人もいるのだから、彼らを働かせる強い政策を推進しよう。女性の労働力もまだまだある。バ―やスナックなど夜の仕事に働く若者を昼の仕事に就かせよう。フルタイムの仕事に耐えられれば彼らの人生も変わるだろう。
  また、軽犯罪で特技を習得した囚人を刑務所から外にだして働かせる。なに?彼らは危ない?刑務所で特技を身につけた軽犯罪者を仮出所させて働いてもらう。
  働く意欲が高齢者をもっと活用する。彼らは処遇に高望みをしなければ即戦力になる。 「使いにくい」などと言うのは先入観ではないか。 
 これらの人たちは外国人労働者よりは雇用者の苦労が軽くてすむはずだ。他方、若者も高齢者も徴兵制よりはましだと考えて、労働者の苦労を味わい、人生修行になると信じて3年くらいは耐えてほしい。そうすれば変わる。

  ◇ 外国人労働者の指導コストは高い
 昭和20年代の後半、不況に陥った各地の炭鉱を合理化するために、炭鉱労働者と技術者を技能習得のために当時の西ドイツの炭鉱に派遣した。両国政府間で合意されたことだ。
  しかし、現地では指導なしで、「見たい機械は自由に見てもよい、分からないことがあれば質問してほしい」と言われたが、誰も指導につかないし、結局、労働者として扱われた。 日本で働く外国人の技能実習生は他国での経験がないから、見かけの技能実習に不満を持つだろう。中小企業で専任の指導者をつけることはコストが高い。例えば、指導者をつけたら平均5万円/日のコストがかかるはず。さらに言えば、中小企業は労働者として雇いたいのだ。 
 日本の在外公館は技能実習の現実を志望者に伝え、仕送りも難しいことを認識させて甘い期待を持たせないように知らしむことが必要だ。 

技能実習生の好例 
 数年前、上海の友達を訪ねるため直行便に乗るため富山空港にいた時のこと、ロビーには沢山の人で一杯だった。彼らは技能実習を終えて帰国する中国人と、見送りに来たホストの中小企業関係者だった。中国人の若い人たちは布製の大きな袋やスーツケースを持って幸せそうだった。  機内では大連に帰るという若い女性と隣席になった。日本語を話せるようになった彼女から大連の労働事情を教えてもらった。 こういう良い話をメディアが報道することはないから、他にも好例はあるだろう。離職、逃亡、犯罪、不法滞在の報道によって私は偏見を持たせられていたから、目を開く機会になった。

 ◇ 人のため、世のため、国のため 
 若者よ、メディアの報道を鵜呑みにせず、チャレンジしてほしい。「人のため、世のため、国のため」と言えば、あほらしいと思うかもしれないが、一度でいい、3年でもいいから、バカ正直に試みてみることを勧めたい。日本の国難に力を貸してもらいたい。                (完)    

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