2018年7月31日火曜日

#198 事実上、政党政治が崩壊――移民と難民の問題が加速

 諸君たちは日本政府が難民の受け入れに消極的であることを残念に思っているでしょう。しかし、感情に流されてはいけません。  最近のことで、イタリア政府は地中海を北アフリカから渡ってきた難民船を追い返し、やむなく隣国スペイン政府が港に入ることを認めました。イタリアは私がアメリカ生活中にもアドリア海を渡ってきたアルバニアからの4万人の難民をサッカー場に閉じ込めた後、 全員を送り返しました。彼らは国際法で定められた難民ではなく、経済難民とされたのです。
  難民というのは政治権力に命を脅かされたり、内戦から逃れる理由が求められます。  当時、人道主義の見地からイタリア政府を批難する声がありましたが、日本にはもっと人道主義者が多いように思います。ここが危ないのですよ。

 ◇ 石破元幹事長が総裁選挙に出馬  
 よくあることであるが、総裁選挙の前に候補が本を出す。彼も『政策至上主義』という本を出版した。新聞広告に謳われていることをそのまま書くと、 

  政局よりも政策を。対立よりも対話を。  
  この国には解決策が必要だ。 
  自立精神旺盛で、かつ持続的な発展を遂げられる国をつくるためにどうすべきか。  
  ひたすら政策を磨き続けてきた政治家からの熱きメッセージ。 
  自民党は誠実さ、謙虚さ、正直さを忘れるな。 
  防災省を設置せよ。 
  社会保障をもっと多様に。  
  与党はすきを見せてはいけない。 

 私は本を読まないで批判することは無責任であるかもしれないが、ここでは上記の謳い項目に限って言いたい。
 野党を含めて誰も異議を唱えないだろうが、私も防災省を除いて反対しない。言い換えれば、政治家たる者がみんな目指していることなのだから。
  そこで、防災省の設置は反対だ。防災や災害後の対応に関しては関係省庁が集まって緊急連絡会議を持つ現状でまあまあ機能しているし、防災省の新設によって大きな効果が得られるとは思わない。むしろ官僚機構の増大はマイナス面が大きい。
  感情に左右されているかもしれないが、敢えて言うと、石破候補の目つきとねちっこい話ぶりは受けない。海外に国の代表として出したくない。次の総裁選挙まで3年あるから、 コンサルタントに付いてイメージを変えれば、有力候補になれるはずだ。
 顔は本人の責任ではないにしても、顔の表情とイメージは本人がつくったものだ。

 ◇ カンボジアの総選挙  
 今週行われたカンボジア総選挙では、専制支配する与党が唯一互角の野党をつぶして20もの群小野党が乱立する中では全議席を取って圧勝したのは当然の結果だった。 欧米と日本は不正選挙を強く批判した。しかし、これでフンセン首相の独裁が強められる。 
 さて、ひるがえって日本の政治を見ると、内情はあまり変わらない。一党支配と群小の野党との対立という点だ。安倍政権の悪しきを問題としながら野党は支持されていない。
  私は労働者が労組員であってもなかっても、有権者が個人単位で支持する労働党を提唱しているが、あまりに道は遠い。 
 そして今、自民党は人手不足に乗じて、移民の資格を緩和して外国人労働者を招き入れようとしている。シンガポールやサウジと違い、不法滞在者の取り締まりが不充分な日本では労働期間の5年が過ぎても日本に滞在する彼らは不法移住者になるだろう。 
 どう見ても、町によっては増える不法移住者に対する対応に困ることになる。移民を受け入れるなら、先ず社会体制の整備が先に求められる。ずるずるのままではいよいよ社会問題を招く。日本では野党も移民問題を取り上げていない。 

  ◇ 極右政党が台頭する 
 ヨーロッパ各国もアメリカも移民問題に揺れている。そしてどの国でも移民に反対する右派政党が、中には多くの国で極右政党が台頭している。 
 仮の話であるが、私が新政党を立ち上げるなら極右政党にするだろう。なぜなら労働党より易しいからだ。どの国でも極右政党が掲げる政策は単純で不満を持つ大衆に受け入れられやすい。例えば、 
    日本は天皇をいただく大和民族の国、移民には反対。 
    中国の軍備増強と競争せず、やらせておく。 
     アメリカからの武器購入を減らし、独自に専守防衛の戦力向上。
     憲法9条2項を廃止、自衛隊を陸・海・空軍に再編。 
     中央省庁の官僚と外郭団体を減らすなど財政を再建。 
      韓国、中国の言いなりにならず、台湾との外交を深める。

 ◇ 諸君、日本の政治を注視せよ 極右政党に組するなかれ。日本の将来は諸君たちが決めるのだよ。                 (完)    

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