2009年6月29日月曜日

#6野球・「関西の野球市場の不思議」

 肩が凝らない話で、私の専門分野の一つであるプロ野球について書いてみます。いずれまとめてプロ野球改革論を月刊誌に出すつもりです。もっとも内外に問題がいっぱいある時期がおさまらないことには、いつ紙面をもらえるか分かりません。

 皆さんは2004年に近鉄とオリックスの球団合併にともなう騒動が起きたことを憶えているだろう。その騒ぎの間に近鉄買収に名乗り出たライブドアのホリエモンが、近鉄の試合が満員の観衆に埋まった大阪ドームに姿を見せた時、近鉄ファンが彼を英雄のように迎えた。他方、一リーグ10球団制支持派が勢いを得ていた。
その最中に、月刊誌『正論』に二リーグ制維持と合併がプロ野球発展の障害になることを本旨とする私の長文の評論が掲載された。月刊誌の読者は限られているので、野球関係者以外からの反応は少なかった。ところが、産経新聞やサンケイスポーツの取材に応えた私のコメントが大きく取り上げられたことから、さすが新聞の影響力は大きいことを思い知ることになった。
いろいろ伝えられた中で、「ホリエモンのライブドアには資金力がない」、「巨大球団のタイガースが市場を支配する阪神地域では他の球団経営は成り立たない」という私のコメントがファンの反感を招き、インターネットで激しく叩かれた。例えば、「近鉄親会社の債務に比べるなら、ライブドアの方が資金力がある。これでも経営コンサルか?」と。因みに、私は経営実践者と経営評論家であり、経営コンサルタントの肩書を掲げたことはない。


 私はプロの書き手として、ライブドアの決算書を手に入れてもらい、貸借対照表で内部留保(個人で言えば、預貯金みたいなもの)を見て書いているのである。その後これにさえ粉飾があったことが判明した。ホリエモンが用意した事業計画書では、地元の市民や企業から集める資金で買収するとなっていた。なんのことはない、巨人と阪神の両球団を除いて、どの球団も全力で努力していることだ。
 次のコメント、「阪神地域に2球団は成り立たない」には今も反論が少なくない。こんな大人口地域でセ・リーグとパ・リーグの各1球団は黒字経営できそうに私自身思うが、現実は違うのだ。例えば、神戸のオリックスファンが大阪への本拠地移転に反対して4万人の署名を集めたが、現実には神戸の本拠地球場には多くて2万人、時には1万人を切ることさえある。一体、ファンはどこへ行ったのか?神戸のテレビ局でさえタイガースの放送ばかりで、偶にしかオリックス戦を放送しない。
 言うまでもなく、オリックス球団の経営や外人に過重に頼るなど、問題はある。しかし、これだけの大人口地域で客が入らないことは不思議なことだ。

 さて、締めくくりとして、今回はキミらに何を言いたかったか?
人は感情で動く。これはよろしい。しかし、心の片隅には論理的思考を残してほしい。
何事も、自分に関係ないことでも、「自分ならどうする?」と遊び半分に考えてみることを勧めたい。面白い上に、思考力を豊かにしてくれる。 

        

(完)


≪追記≫大川さん、このブログへのコメントとともにいただいた貴方のホームページはURLが間違っているのか開けません。改めてこのブログに投稿をお願いします。お互いにリンクさせましょう。
                                

 

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