2010年1月28日木曜日

#25 韓国偏重のNHKの国際感覚はおかしいよ

今月、台湾映画『海角七号』、日米・ボリビア合作映画『パチャママの贈りもの』の2本の映画を観ました。どちらも各地で賞を取ったなかなかの名画です。ミニシアターと呼ばれる映画館で、東京と大阪などで上映しています。
昨年は、『剣岳』、『九降風』(台湾)、『グラントリノ』(アメリカ)、『三峡』(中国)、『ベルサイユの子』(フランス)、それに家内の付き合いで『おくりびと』の5本を観ました。年間5本は私の生涯で最多新記録です。私は大阪で仕事を終えた時に、気が向くと映画を観ます。来月には韓国映画『牛の鈴音』を観るつもりです。
インターネットで映画名や「ミニシアター」で検索すると情報が得られます。

今回は、政治の生臭い話を休止して、一転、にわか映画解説者になります。


にわか映画解説者になる
今月観た2本の映画と昨年観た映画の一部を紹介してみよう。

『海角七号』作曲家・歌手として実力がありながら、15年間台北で頑張った主人公がギターを叩き割って故郷に引き揚げるところから映画が始まる。台湾最南端の町、恒春の町と人々が生き生きと描かれている。ずぼらな郵便配達員の主人公が未配達の郵便を、周囲の人たちが代わって配達する職業意識に感銘する。日本人女性との恋愛もある。ロックやスローバラードの音楽も素晴らしい。
「なぜオレの実力が認められないのだ!」という叫びは諸君の共感を呼ぶだろう。

『パチャママの贈りもの』有名なボリビアのウユニ塩湖の村落に住む先住民父子が塩のブロックを切り出して近隣の村に運ぶ物語。父子は約20頭のリャマの背に塩を乗せて年に一度、3カ月のキャラバンに出かける。家族代々がやってきたことで、塩と穀物を物々交換する。村落間の相互扶助、父から子への伝承、人々の伝統的な生き方を淡々と描く。
最近、ウユニ湖で世界の埋蔵量の半分に相当するリチウムの鉱脈が発見されて開発が始まっている。経済開発が彼らの生き方に影響を及ぼすのだろうか。

アメリカの映画と音楽
私が長年住んでいたアメリカの地方都市ではハリウッド映画ばかりで、まったく外国映画を観られなかった。私はハリウッドのアクション映画は嫌い。
ラジオではクラシックを除けば、ロック、カントリーウェスタン、ポップスはすべてアメリカ音楽だった。
他方、日本では外国映画も観られる。アジアの音楽も聴ける。しかし、最近ではカンツォーネ、シャンソン、タンゴを聴ける機会が減ったようだ。
アジアやヨーロッパの映画を上映するミニシアターは貴重な存在だ。ミニシアター、頑張れ!


NHKテレビの国際ニュースの選択
NHK衛星テレビが昼に放映しているワールドニュースを時々観ている。その国の選択がおかしい。常時各国のテレビニュースを取り上げている国は、ヨーロッパではイギリス、フランス、ドイツ、スペイン、ロシア、アジアでは中国、ホンコン、韓国、タイ、ベトナム、それにアメリカである。

日本との関係の深さを基準にすると、いくつか疑問がある。なぜスペインとホンコンか?
スペインの時間をブラジルに充て、ホンコンを台湾に、タイ、ベトナムに代えてインドに置き換えるべきだろう。台湾から沖縄につながる海域は日本の安全保障にとって重要であり、日本人はホンコン情報より台湾情報をもっと知るべきだ。また、インドとブラジルは経済的関係も重要であるが、それ以上に国際政治の上で関係を深めるべき国だ。
因みに、ドイツ、インド、ブラジル、日本の4ヶ国は国連常任理事会に加わる共同提案国だった。私は自民党政権によるこの4ヶ国提案を高く評価している。日本1カ国が常任理事国に新規加入しても国連の改革にならないからだ。大戦直後の常任理事国体制が今もそのままであることは異常なことだ。諸君たちの時代には変わるだろう。
世間ではアメリカが日本の加入に賛成しなかったから実現しなかったと言う物知りがいるが、アメリカはドイツに反対したとメディアが伝えた。本当のことは私には分からない。

海外映画とドラマの国別偏重
NHKテレビに限らず民放テレビにも韓国ドラマが氾濫している。もともとはNHKが韓流ブームに火をつけた。その後も止まらない。私は連続ドラマの一部と映画を観たことがあるが、作品の質は高い。
ある日、偶々台湾のドラマを民放テレビで観た。安っぽいコメディだった。私は台湾によく出かけ、言葉は分からなくても台湾のテレビを観る。ドラマにはもっと良いものがいくつもある。日本のテレビには台湾のドラマや映画が放映することがないのに、一つ取り上げられたドラマが安っぽいものでは、諸君たちは韓国に比べて台湾はレベルが低いと思わされるだろう。
韓国に偏重しているテレビの現状を台湾や中国の映画も放映してバランスを取ってもらいたいものだ。

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2010年1月18日月曜日

#24 民主党が生まれ変わる

 昨日の朝刊と夕刊の第一面に、でかでかと小沢幹事長の元秘書出身の国会議員など3人が逮捕されるという記事が出ました。
 テレビのバラエティ番組と週刊誌では、待ってましたとばかり稼げる話題にされます。世間も大騒ぎをしています。
 しかし、諸君は世間の騒ぎに乗らず、これからの政治についてクール(沈着に賢く)に情勢を見守りましょう。我慢する時には我慢して小沢問題で鳩山政権をつぶす動きには反対しましょう。

 今日、国会が召集されます。私だけではなく、おそらく諸君も、連日報道される献金問題が、国会冒頭から取り上げられそうなことにうんざりします。今回は、筆が遅い私にしては、素早く書き上げました。


小沢幹事長辞任と離党

 今日18日に国会が始まるに当たり、自民党はじめ野党は小沢幹事長に国会の冒頭で献金疑惑について説明を求めようとしている。民主党は応じないだろうから審議が混乱するだろう。世間の大衆は献金疑惑の追及を求めるかもしれないが、政治はこれに迎合してはならない。
 先ず、自民党は疑惑追及の確約をある程度民主党から取った上で、二次補正予算案と来年4月からの新年度予算案を審議して、多少の修正と引き換えにこの二つの法案を成立させるべきだ。特に、すぐ金が出る補正予算案は景気と雇用に関わり、中小企業や弱者を救済するために一日も早く成立させることこそ、前政権与党としての大人の対応だ。
 現下の難局を考えるなら、小沢幹事長が辞任し、民主党を離党することが、議員辞職に追い込まれないための対応だろう。彼が「法律に違反していない」といくら強弁しようとも、ゼネコンと金まみれである事実は隠しようがないのだから。

首相の論理を再度問う

 今の民主党は1998年に、鳩山・菅直人が設立した旧民主党を中心に4会派が合流してできた。左派と見られることを避け、民主中道を唱えた。
 2006年4月の代表選挙では菅直人を破り、小沢一郎が新代表に就任した。2003年に総選挙の小選挙区で不利を免れない小沢自由党が民主党に吸収合併された時、私は古い「若者塾」で、民主党が自由党に庇(ひさし)を貸した、と書いたが、それどころか小沢代表に母屋までも取られたのだ。
 2009年、小沢代表は当時からあった西松建設に絡む献金疑惑が表面化して代表を辞任した。それでも代表代行にとどまり、今日まで権勢を維持してきた。「職責に全力を果たす」という彼の表明は疑惑問題のすり替えに過ぎない。
 民主党も責任がある、という世間の声に対して首相は小沢幹事長の継続を支持したが、西松問題のさわりが表面化した時に小沢代表が辞任し、一方、ゼネコンとの関わりに大きく疑惑が広まった今には幹事長を辞任させないという論理をどう説明するのか。
 小沢幹事長が検察と闘うことを首相が支持したのは、党代表であると同時に、いやそれ以上に日本国首相であることをわきまえていない。本当に首相の論理思考は頼りない。「首相は饅頭のあんこである論理を練る」ことを再度お願いしたい。

民主党が再生する好機

 小沢一郎は田中角栄、金丸信をはじめとする古い自民党の系譜である金権政治家の最後の生き残りだろう。彼の体質は変わらない。
 彼が離党すれば、鳩山首相も小沢チルドレンも小沢親分の顔色を窺うことがなくなり、その呪縛から解放される。内閣もベストと信じる政策をきっちり実行できる。
 こう見ると、小沢は後ろから首相や内閣に睨みを利かせ、人事や政策を動かす軍の将軍そのものだ。彼自身、人民解放軍最高司令官と中国で言った。
 民主党は民主中道などと意味をなさない党理念より、中道左派でもよいのであるが、「名は民主党、実は労働党」がふさわしい。これでこそ保守政党との間で政権交代の意義がある。
 私は国のあり方や個人のモラルについては保守的であるが、社会政策においては柔軟なリベラル派である。そして、国民が選んだ政権を支持する。今は民主党政権を支持する。
 日本では保守政党と言えば「神国日本」となり、左派政党と言えば「社会主義」が出てきて、国民を惑わしている。もうレッテル貼りから抜け出してほしいと思う。

 さて、小沢幹事長辞任で今夏の参議院選挙はどうなるか?
 影響があるなしに関わらず民主党は第一党を維持しても過半数を取れない、というのが素人八卦見の見立てだ。例えば、小沢幹事長による連合に対する説得が評価されているが、もともと連合は民主党支持の選択しかない。連合の支持は今度の選挙でも変わらない。自民党も戦力不足。
 加えて、どの政党であれ、前回の参議院選挙と衆議院選挙に続いて3連勝することは難しい。
 小沢幹事長が辞任すれば党がばらばらになる、なんて情けないことを言うなかれ。一時の混乱はあるにしても、民主党はそんな程度ではあるまい。

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2010年1月13日水曜日

#23 決算書と自己管理力

 ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国、韓国、日本など世界的に寒波が広がっています。ひょっとすると、地球寒冷化現象なのでしょうか。
 大阪は寒いと言っても零下にはならず、空気が澄み切って快晴が続いています。札幌、富山、アメリカ東部の降雪寒冷地に住んできた私から見れば、まだまだ大阪の冬は暖かい。アメリカで零下(サブゼロ)と言えば、華氏のことで摂氏マイナス17度になります。ひと冬に何回かシベリア急行と呼ばれる寒波が来ると、摂氏マイナス20度以下になります。町の街路樹の枝が氷結して陽を受けて美しく輝きます。
大阪は雪も天災もなく、あるのは人災ばかりです。

さて、一年の初めに一つの試みをやってみてください。


自己管理と解放の使い分け
 人生の中で自己管理は決定的に重要だ。そして、厳しい自己管理と解放の組み合わせが重要。
 私流では、目標を立て、その実現のために自己管理する中で解放の時間を持っている。解放を別の言葉で言い換えると、無為、怠惰、ぼんやり、リラックスなどとなるだろう。解放の時間には何でもいい、軽いことで考えを自由にめぐらしてみる。そのうち半分眠りに落ちると。こういう時にふっと発想が出てくるもの。頭の疲れも癒せる。
 一つ気になることは、携帯電話のこと。電車待ちのホームでチャカチャカ、電車に乗るなりチャカチャカと携帯をやっている若い男女、特に女が目につく。他人事ながら、あれは自由な解放の時間を逃がして思考力を落としている。もったいない。
 この間は、ミニバイクで走りながら携帯を見ている若者がいた。そんなに忙しいのか、頭を無にすることを無駄に思うのか?

決算書と家計簿
 経営において決算書と呼ばれるのは、損益計算書と貸借対照表、それに大企業では営業キャッシュフローの三つを意味する。ここでは損益計算書について絞ってみよう。
 損益計算書というのは、月度に管理し、年度決算で集約するもの。単純に収入と支出の項目を記載するだけで家計簿と同じ。これと併せて「予実管理」が使われる。毎月予算と実績を比較して、計画通りに推移しているかどうかを管理する。経費が予算を超えていれば素早く手を打つ。
 そこで、勧めたいことは一カ月でよいから自分で家計簿をつけること。一円たりとも見落とさずに完全を目指す。コンピューターでは一円も一万円も「違算」として出てくるから完全を期すことが諸君の腕を磨いてくれる。
 「家計簿なんぞ嫁さんの仕事で男がやることじゃない」という雑言に惑わされることはない。そして、一カ月を集約したエクセルの表を眺めて分析をしてみる。新鮮な発見があるはずだ。
 これは、個人事業を起こす、あるいは諸君が会社員として経理を任せられる時に基本となることで分析力が養われる。さて、諸君は一カ月の根気を持てるか?
 私も、古い話であるが、一ヶ月期間で2,3回やってみたことがある。手帳に出費を一つ洩らさずに記入してみる。この小遣い帳からそれまで見えなかったことが見えてきた。これ本当に根気が要るよ。

 優しい性格の友は言う。「克己心や根気も生まれながらの資質だよ。尻を叩くのは過酷ではないか」と。部下の中には必ずチャランポランでミスばかりする者がいる、怒鳴ったところで改まらないものだ。彼は自分への戒めにしたのだろう。この論理でいくと、人の資質はすべて生まれた時に決まっていることになる。
 また、別の友は言う。「オレのワイフは何をやらせてもええ加減。どうにもならんよ」と。
 新聞に出ていた「節約は精神の贅沢」というタイトルが目に入った。これを裏返して言うと、「浪費は精神の堕落」ということになるだろうか。諸君の声がきこえそうだ。「オレも一度でいいから浪費をやってみたいよ」と。私もそう思っている。

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2010年1月5日火曜日

#22 連立与党とは難しいもの

 皆さん、新年おめでとうございます。
 今年も各地からもらった年賀状の中にいろいろと絵や写真で趣向を凝らしたものを見るにつけ、文章だけの味気ない私の年賀状が見劣りします。来年こそは気の利いた年賀状をつくるぞ、と思いながら何十年が経ったことか。
 さて、今年は「若者塾」ではなるべく政治については書かず、生き方の上で知識武装してもらえることを重点にしたいと思います。
 今回は、前稿の余波からもう一回政治について書きます。また批判を受けるかもしれないが、文が長いのです。今年の課題は、「短く、面白く」にします。

 これから開かれる国会においては、野党は重要政策について与党に問題を明らかにさせ、改良を求めることに集中し、資金疑惑は捜査当局にしばらく任せて国会審議を停滞させることは控えてほしい。まして、野党が倒閣を意図することは国民のためにならない。野党、特に自民党は我慢すべき時には我慢し、じっくりと大きく再建を目指すことが将来につながると信じます。


民主党の資金疑惑

 鳩山首相と小沢幹事長の管理団体による政治資金の疑惑が関心を集めている。私はメディアが伝えるほかには情報を持たないので、皆さんに疑問を投げかけるだけにとどめたい。

 法律で定める政治団体は、毎年都道府県の選挙管理委員会に収支報告書を提出しなければならないが、なぜ選挙管理委員会は疑惑をチェックできなかったのか?

 選挙管理委員会を主管する総務省は、なぜ監査体制を長年放置してきたのか?

 収支報告書は毎年国の官報と都道府県の公報に公表されるのに、なぜメディアはもっと早くスクープできなかったのか?メディアは事件の後追いだけをやっている。

 検察庁も国税庁もなぜもっと早く捜査に入らなかったのか? 特に、鳩山首相のケースでは8年間も見過ごされてきた。

 小沢幹事長も鳩山首相もあれほどの金持ちでありながら、なぜ公認会計士を雇って監査を受けてこなかったのか?監査を避けてきたと思われても仕方がない。
 ◇ 騒動屋の政治家

 私が意味する騒動屋とは、世間やメディアの関心を引くために騒ぎを大きくせずにはおられないタイプの政治家のことだ。小沢一郎を筆頭に、田中眞紀子、亀井静香、石原慎太郎などが代表格だろう。彼らは地道な日常努力に関心が薄く、一発でかいことを打ち上げる。騒動を生きがいにしているから危ない。

小沢幹事長の権勢

 先の衆議院選挙で当選した新人議員を含めると、小沢グループは衆参合わせて120人の他派を圧倒する最大派閥になった。
 内閣が事業仕分け人を小沢幹事長の了解なしに小沢派新人議員を選んだことにクレームをつけ、新人議員を入れ替えさせた。行政やビジネスの経験がある議員から市会議員にも当選できないような議員もいる中で、新人議員を一つの括弧でくくることは妥当ではない。
 私は小沢親分が配下の組員を無断で使ったことに異議を唱えたのだと思った。
 600人もの小沢訪中団が配下議員をはじめ、一人一人を故錦濤首席とツーショット(これ日本製英語)の写真を撮らせた。朝貢外交のようで国民の一人として恥ずかしい。
 さらに、「私は日本の人民解放軍最高司令官」と言ったそうで、これはひど過ぎるな。 

連立与党

 沖縄基地問題で社民党の福嶋代表が沖縄県内移転に強く反対している。鳩山首相が唱える「社民党も米国も受け入れる解決」というのは、本当にあるのか?
 福嶋代表は消費者庁少子化対策担当大臣なのであるが、基地問題に口を出すのは党代表の立場であるからだ。連立から社民党外しの声が出てきているが、閣議においてただ一人署名しないのであれば、連立外しより閣外協力に変えるべきだろう。多分辞任するだろうか。

対米突っ張り外交

 私が昨年六月、アメリカに1週間余り滞在した間にはメディアには日本に関する報道は何もなかった。これまでも日本、英国、カナダに関する報道がなかったのは常のことだ。関係が良いことの証であり、また、日本について関心が薄いことでもある。
 ところが、アメリカのメディアによる日本の外交に関する報道が日本のメディアに紹介されることが多くなった。日米安保条約をはじめとして、日米関係が議会や一般市民に関心をもたらしたことは突っ張り外交の成果と言えるだろう。
 ここで小泉元首相の対中突っ張り外交と比較してみよう。
 私はアジアの各国(ちょっとオーバーかな)に情報源を持っているが、彼らによれば、小泉対中外交は中国から国境で圧力をかけられるベトナムからインドまでの政府は支持していた。しかし、鳩山外交が反米親中と見られて、沖縄米軍基地の県外移転に対してはこれらの政府が反対している。
 鳩山首相は、対米突っ張り外交にいつ鉾をおさめるか?

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