2011年11月17日木曜日

ネット月刊誌『言論大阪』#19、11月、2011  若者よ、投票に行こうーー同日選挙まであと10日


 府知事と大阪市長の同日選挙が27日に迫りました。
 特に大阪市長選は次代の大阪市をどうするのかを問う重要な選挙です。従来の常識で考えると、平松候補が有利な情勢になっています。なぜなら彼は市役所幹部から職員組合とその家族を含む市役所族、連合の労組、自民党・民主党に加えて共産党の全政党(公明党は自主投票)から支援を受けているからです。現職の上にこれだけの組織票を固めているのです。
 若者諸君、週刊誌が書いている「橋下ダブルスコアで当選」の予想を信じるなかれ。投票に行って橋下候補を当選させよう。

橋下候補が勝てるか
 大阪市の有権者数は約200万人で投票率が前回選挙並みの50%とすると、投票数は100万票、当落ラインは50万票ということになる。共産党が候補の擁立を止めたことで、前回獲得した16万票が平松候補に行く。中にはどちらの候補にも投票したくないという棄権者もいるから、13万票くらいか。これは橋下候補にとって手痛い。
 一方、橋下候補の確定票は維新の会の市会議員がまとめる票だけ。これを除いて橋下ファンの個人票に頼らなければならない。もし若者諸君が投票に行き、投票率を10%上げるなら20万票のほとんどは橋下候補に行くだろう。それでも充分とは言えない。

なぜ橋下候補がよいか
 これだけの支持勢力に押されている平松候補は、構造的に次代の大阪のために大きな改革はできるはずがない。彼の市長在任中に地道な改革をしてきた一面はあるが、前回市長選で掲げた主要な改革の政策は先送りされている。しょせん保身と現状体制維持の既成勢力に対して抗することができない。さらにもう一つの弱点は、彼が掲げる政策はほとんどが橋下改革に反対する政策であり、彼独自の発想に欠けることだ。
 橋下市長に変われば、当初は市政に混乱と批判を招くだろう。これは改革の代償であり、政治に限らず避けて通れないことだ。いずれ大阪市に活気をもたらすに違いない。
 諸君は平松候補が大阪に変革をもたらすと思うか?

橋下候補は独裁者か
 橋下候補に対する週刊誌の攻撃がすさまじい。新聞に出た週刊誌の広告では、「父親は暴力団関係者」、「橋下は同和の出身」だと書かれている。彼の氏素性が何であれ、彼が今何者であるかしか有権者は問わないだろう。
 彼が独裁者呼ばわりされていることにはもっと広がりがある。4年の任期はある、選挙がある、議会もある、法律の規制もある、それに軍隊を持たない。彼は強いリーダーであって、どこが独裁者なのか? 
 そのうち評論家などの類が彼をヒットラーに喩えるかもしれない。確かに、ヒットラーは第一次大戦後にドイツ帝政を倒したヴァイマル共和国が、混乱を収拾できないことからヒットラーのナチス党の台頭につながった。ヒットラーは合法的に政権を取り、軍隊を背景にしなかった。

橋下候補が市長になっても政策を全面支持することはない
 橋下候補は前回の知事選挙で広く府民の支持を受けて当選した。維新の会は府議会選挙でも過半数の議員を取った。しかし、大阪市議会選挙では過半数を超えなかった。彼を支持する有権者の割合が大阪市で低いことも市長選挙で不利なことだ。
 茨木市民の私も残念なことに、橋下候補に投票したくとも大阪市長選挙に投票権がない。
 そうかと言って、私は橋下改革者を支持するが、彼の政策をすべて支持するわけではない。例えば、大阪都構想には反対し、大阪市が近隣市と合併して日本第二の都市にカムバックすることと、隣りの奈良県と和歌山県を統合して関西県をつくり、新県庁を奈良市に置くことを提唱している。詳しくは、トップページの左側にある項目「言論大阪」の下記を読んでほしい。
  #6 10月、2010
  #9 1月、2011
  #14  6月、2011

余談。「W選」表記が気になる
 WはVが二つの字形であるが、もともとUが二つでdouble-uと発音される。そのWが日本では二重の意味をダブルとして使われるが、「W選」は誤用。さすがNHKと全国紙は「ダブル選」、「同日選」と正確に使っているのに対し、民放テレビは「W選」と誤用している。


≪追記≫11月20日
 投票日まで7日。私の市長選予想では投票率が60%を超えたら橋下候補が当選、50%なら落選。 橋下候補を生かすも殺すも若者諸君が鍵を握る。諸君にとってこれほどエキサイティングな選挙はめったにないだろう。
 一度も投票に行ったことがない若者は煩わしいと思っているかもしれない。しかし、家を出てから帰るまで30~60分で済む。こうして一度行くと次の選挙にも投票するだろう。
 チャンスを逃がすな!!


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