2018年1月31日水曜日

#189 全労の皆さんへ――逆転の発想で労働党結成

 #181で若者世代に対し、労働党の推進を呼びかけましたが、手ごたえがありません。政治に関心が薄く、将来のことより今の生活に精一杯の若者に運動を期待することは現実的ではないかもしれません。しかし、政治改革は諸君の世代が自分たちのためにやるしかないのです。 
 今回はなぜ労働党が必要なのか、詳しく書いてみます。

 ◇ 既存の野党では政権を取れない 
 立憲党と共産党を除く最近の野党の混乱は目に余る。立憲党はかつての社会党の再来で、左派の固定客に支えられて与党の政策反対党として現状を維持するだろう。また、共産党は地方議会における勢力を基盤として組織が強い。
  立憲党の枝野代表は「立憲主義を守る。民主主義を守る」、「下からの政治をする」と言っているが政党としての政策が分からない。そして政権政党になるためには「下からの政治」は間違っている。
  私の考えでは、政治家は市民と交流し、世論を参考にするにしても、全体から政策を取り上げることで「上から決める」のだ。そう、政治は「上から」でなければならない。 国政に関わる政治家は、たとえ嫌われてもこの覚悟を持つべきなのだ。さもなければ大衆迎合になり、国政の方向を誤ることになりかねない。「お客さまの声を聴く」は商売の基本であるが、これは必ずしも政党の基本ではないことを認識してほしい。
  私事になるが、私は本稿の執筆者として「上からものを言っている」と言われたことがある。ちょっと待ってほしい。私は政治家よりは市民と深く交流しており、そこから発想してネタを得ている。しかし、書く時には上から見ている。さもなければ、若者にものを言う意味がない。甘んじて批判を受ける。

 ◇ 逆転の発想から労働党を起こす 
 今の政党では将来がないから、打開するには新党を起こすしかないと思う。 全労は選挙のたびに、これまではどの政党を支持するかを決めてきたが、今は一政党に絞れない。つまり労働者のためになる政策を運んでくれる政党がないのだ。 次の参院選挙ではまた野党が烏合離散を繰り返すだろうから、与党体制を変えられない。しかし、次の総選挙までには時間があるから、労働党の立ち上げを下記の順に手を打っていく。うまくやれば、野党第一党になれる。政権を担うのは次次総選挙を目標に置く。
  全労は支持政党を選ぶ発想から、逆に労働党をつくる側に立場を変えるのだ。時期が来れば陰の支援に回ればよい。雪だるまをつくるには芯をつくらなければならない。全労にはこの役割を担ってほしい。そうすれば芯を転がしていけば雪だるまが大きくなっていく。

  1.全労の組合人に党員登録してもらう。要求してはいけない。勧めるだけ。 
  2.中小企業の労働者に登録を広げる。   
   3.地方議会で党員を当選させる。  
  4.党本部と地方支部をつくる。   
  5.党員大会で代表と執行部を選ぶ。  
  6.実体ができたら若者世代に支持を求める。党員登録にこだわらない。  
  7.総選挙で候補者を立てる。  おそらく選挙になれば自民党や野党の議員が一部転党してくるだろう。しかし、彼らを受け入れても政治経験を生かすだけで党の運営の主流にはしない。 

フランスの新党から大統領 
 マクロンは大統領選挙の直前に既成の二大政党とは別に独立の新党を結成し、大統領になった。落ち目の既成政党に頼らなかったのだ。彼は保守系のキャリアではあるが、日本の政治改革、抜本改革の参考になる。 
 次の総選挙が来る前に仮に自民党が善政をしたところで勢いを失っているだろう。野党も頼りにならない。有権者は新しい時代を求めている。直近の選挙より長期戦略で労働党を育てることが目標だ。

 ◇ 重点政策は財政赤字の縮減と外交の転換 
 今年も年度予算を黒字化することが2年先に見送られた。1兆円を超える国の累積 財政赤字がさらに増えた。#181で述べたように直接経済に影響しないことに配慮しながら、歳出を大胆に減らすことを労働党が推進する。 
 先ず、防衛予算。アメリカの長期計画は日本の基地を自衛隊に委ね、最終的に立川 か岩国のどちらか、横須賀(空母の母港)、岩国、沖縄の基地に集約することだろう。 そのためにミサイル迎撃装置、最新型戦闘機などを日本に買わせようとしている。背景には、米軍が日本に駐留するのはアメリカの対中国戦略である半面をアメリカ人の多くは認識していないことがある。アメリカ政府も世論を巧く利用する。
  日本の防衛予算を抑制して自衛隊の配置転換と保有兵器の改良に重点を置くべきだ。 アメリカ政府が好まない政策であろうと対米関係の改革は新党だからできる。アメリカ政府はついていくより選択がない。
  次に、外交の転換。安倍首相のバラマキ外交はいただけない。まるで予算が無尽蔵にあるかのように金をばらまいている。国連拠出金も減額する。最近では日本が中東和平の仲介役になるしいう。できるはずがない。  
 今日のイスラエル問題は二枚舌のイギリス外交が原点だ。そのイギリスが中東問題には関わらない。範とすべきだろう。

 ◇ 若者諸君よ、もう「政治には関係ない」と言っておれない 
 官僚組織の改革など与党にはできない。今の野党の混乱下では野党にも政治改革はできない。政治は行き詰っている。 新党の労働党によって政治を変えよう。
 道は遠くても諸君の時代の政治は諸君がつくる。インターネットでSNSを駆使し、クチコミで支持者を広げていこう。             (完)


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