2017年7月7日金曜日

#177 都議選のメディア報道に疑問ーー諸君の時代に備えよ

 都民ファーストの会が都議選に圧倒的勝利したことを伝えるメディアの過熱報道が、やっとおさまりました。 
 テレビも新聞も軽薄の一語に尽きます。今回、こういう考え方もあるということを諸君に伝えます。  諸君、リーダーたる者、政治から逃げてはいけません。  

 ◇ 負けたのは自民党ではなく、都連

  歴代知事と癒着して都政を長年牛耳ってきた自民党都連は、変化を求めた都民に楔を打たれた。構造としては、1996年以来政権を担ってきた自民党が、変化を求めた国民によって2009年に民主党に大勝させて民主党政権をもたらしたことの都政版なのだ。 当時、私も不安を感じながら選挙では民主党に投票した。
 さて、都議選の前には新聞もテレビも都民ファと自民党(自民党都連を使わない)の第一党争いと煽った。私は奇異に感じた。先の知事選では自民党が押す候補が敗れた上に、テレビは自民党都連の悪人面に見える幹部たちの顔を頻繁に出した。その上、都政とは関係がない自民党の国会議員の不祥事、失言、加計学園問題(森友問題は忘れられていた)、さらに国会の強引な運営を叩いた。 これでは自民党都連は勝てるはずがない。
  この第一党争いの報道で割を食ったのは民進党だった。消し飛んでしまった。 

 ◇ 都政と国政がごっちゃ

  都議選の後で野党が出したコメントはひどかった。民進党の幹事長は内閣総辞職を要求し、共産党の委員長にいたっては解散・総選挙を唱えた。 ちょっと待ってほしい。東京都が最大とは言え、全国47都道府県の一つである地方議員選挙で地方自民党が敗北したことで総辞職とか総選挙と言うのは、東京人政治家の奢りではないか。都政と国政をごっちゃにしている。冗談じゃない。  諸君は自分が住む県の自民党と国政の自民党の関係を考えて見るだろう。 
 今回も相変わらず勝ち馬に乗るのが巧い公明党だった。都議選と国政選挙は別として、 与党の一翼を担いながら、都民ファと組んでまんまと全員当選を果たした。私はこういう勝ち馬主義を好きではないが、公明党の考え方は正論であると思う。

 ◇ いよいよ橋元徹の出番 

 私は橋元徹が「大阪維新の会」を立ち上げた時、大阪に住んでいた。最初は弁護士のテレビタレントが出てきたかと思った。しかし、時が経つにつれ、彼はなかなかの人物だと評価するようになった。彼は持ち前のキャラクターと弁舌によって支持者を増やしていった。それから、知事から府会議員、さらに府下の市会議員にいたるまで、大阪維新の会を名乗れば当選するという旋風を起こした。変わりばえしない大阪政治に飽き飽きしていた状況下、新しいもの好きの府民は呼応した。
  彼は今、大阪維新のリーダーからも会員からも身を退き、大目標のために捲土重来を期しているのだろう。 大目標とは、東京で新政党の「日本維新党」を立ち上げて国政に進出することだ。彼なら、大阪維新の会、勢いが出ない日本維新の会、民進党の中道と右派のグループ、都民ファ支持者、その他小政党を統合できる。一般大衆の支持も得られる。
 こうして次の総選挙では自民党に次ぐ野党第一党になれると私は信じる。おそらく彼はこんなことを構想し、次の総選挙では大阪から出馬して衆議員になるだろう。 そう、都民ファは大阪維新の会の東京版なのだ。

 ◇ 首相の任命責任と内閣改造

  政治は論理だけては通用しないことは私もわかっている。しかし論理を外れると結局行き詰る。 内閣改造では稲田防衛相と金田法相は退任させられる。
  先ず、総理府の外局であった防衛庁のトップは防衛庁長官であったが、2007年に防衛省に昇格して長官は防衛大臣になった。国際情勢の変化に合わせて、今では主要閣僚になり、例えば、アメリカでは閣議で大統領の両側に国務長官(外務大臣)と国防長官が座る。 
 東アジアにおいて、日本の安全保障を脅かせる緊張状態がある今、なぜ稲田防衛相なのか? 彼女が持つ弁護士の資格は要件ではないし、国際的に2プラス2の会議に出席するから、資質のほかに外見も要件の一部だ。長い髪、ムカデのような付け睫毛、ハイヒールに少女然とした容姿。これでは自衛隊の幹部も隊員の士気も上がらないだろう。
  大臣任命には非論理的な事情があるのだろうが、この重要な時期、早く有能な男の防衛大臣経験者に交代させるべきだ。 
 次に金田法相。あのもたもたする国会答弁には耐えられない。理解も怪しい。 彼は財務省の官僚出身で財務プロ。なぜ首相は法務に素人の彼を任命したのか? あまりにも論理から外れている。法務相には弁護士資格を持つ人材の起用を慣行にすべきだろう。           (完)


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