2012年4月24日火曜日

ネット月刊誌『言論大阪』#24,4月,2012   大阪都より関西県ーー浪速国が国際化される

  橋下市長が知事の時に大阪都構想のアドバルーンを打ち上げてから、全国的関心を起こし、この構想を巧みに核にして国政改革に突き進んでいます。  府下の選挙では維新の会の地方議員から市長まで行くところ敵なしの勢いです。総選挙では現職議員の脅威になっています。しかし、全国で300人の候補者を立てるというのは、彼一流のアドバルーンでしょう。仮に大阪を制しても大阪の外では当選者が少数にとどまると見ています。  
  大阪の若者は、先ず次代の大阪をどうするかを考えてほしい。


◇ 大阪の国際化は関西県から
 私は17年3ヶ月住んでいたアメリカから大阪に帰って16年8ヶ月になる。この間に国際化についてアメリカと大阪に共通点があることに気付いた。
 1987年に刊行された小著『米国ビジネスマンの思考法』(講談社刊)の中で国際化が遅れていると騒がしく言われていたことに対し、日本の方が国際化されていると書いた。また、アメリカの価値観と国際化の二面性について、Great country people(偉大な国の人々)、Great country people(偉大な田舎者)と表現した。田舎者とは自分の価値観と言語に固執し、国の外とすり合わせをできない人たちを意味した。
 他方、大阪について考えると、同じような二面性がありそうだ。つまり、大阪の中ではもとより、外でも浪速国の価値観にこだわり、大阪弁で通そうとする。やはり偉大な田舎者なのだ。
しかと確認したいが、私的な事柄や会話ではとやかく言わない。ことビジネスと政治に関しては浪速の外ですり合わせをできる風土をつくってほしいと思う。これが大阪の国際化一歩になり、大阪の発展につながるだろう。
 今、維新の会が狭い大阪の中で大阪府・市を大阪都に衣替えしても、大阪の国際化にならない。だからこそ私は大阪府が奈良県と和歌山県と統合して関西県をつくることを提唱してきた。奈良県と和歌山県に対し、価値観のすり合わせをすることで浪速国にも新しい風土が育まれるだろう。


◇ 関西の4空港問題
 4空港問題というのは3空港問題の間違いではない。このことは本稿『言論大阪』#4(8月、2010)に詳しく書いているが、関空、伊丹、神戸に八尾空港を加えた4つの空港のことだ。関西の空港問題を解決するためにはこの4つを総合的に見なければならない。
 最近、神戸空港の廃止を求める署名運動が起きている。2万人だったか、なんと愚かな市民であることよ。彼らの矛先は伊丹の廃止に向けられなければならないのに、せっかくつくった神戸空港を廃止したところで、問題解決にはならないのだ。また、近く発足する関空と伊丹の統合会社も抜本的解決策ではない。
 私は国も地元経済界も本当はみんな分かっていると思う。それができないのは、地元の国会議員たちが選挙を恐れる政治のしがらみや住民のエゴが論理思考を妨げ、「道理がすたれば無理が通る」の典型になっているからだ。
 旅客空港としての伊丹を廃止し、伊丹は八尾空港を移転することで生かせる。東京が震災を受けた時の臨時政庁にする、他地域の災害時に救援物資や人を運ぶ航空基地に活用するのだ。(自衛隊伊丹駐屯地には滑走路がない) その結果、国の資産である八尾空港の一等地を民間企業に売却すれば、伊丹への移転や新施設を建設するための資金を充分賄えるではないか。


 なぜローマ字と英語か?

 茨木市内の幹線道路で、側面にローマ字や英語だけの社名を表記しているトラックをよく見かける。中にはOOKAISHAと書いている。これでは広告媒体にならない。もったいない。
 私が社長なら、「漢字やカナでない看板を誰に読んでもらえるのだ。何を考えているのか?」と一喝するだろう。
 また、市内を歩いていると、ローマ字だけの表札を見かける。配達する郵便局員は日本人なのだよ。国際化のセンスと思っているのだろうか。
私が勘ぐれば、どちらも英語コンプレックスの表われではないか。    (完)




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