2010年6月25日金曜日

#35 男よ、しっかりしろーー日本語が軟弱化している

 いよいよ参議院選挙です。7月11日の投票日までは私の政治論はしばし休止します。
 私は自己分析すると、保守政党の支持者だと思います。昔、「40歳まで自民党支持ならバカ、40歳を過ぎても社会党支持ならバカ」と言われていたことがあります。しかし、最近は民主党を支持し、今回の選挙でも民主党に投票するでしょう。
 かねてから日本の政治には保守系政党と政権担当可能なリベラル政党が必要と信じていました。なぜなら、どうにか民主党が政権を担うことができるようになり、混乱を収拾してさらに政権担当能力を示してほしいと思うからです。
 他方、自民党は当分政権を担える状態ではありません。自民党の中で改革を進めてゆくべきなのに、次々と脱党して新政党ができる有様。私はお家大事の時に、選挙目当てに出ていく政治家は支持できない。
 本来、二大政党のほかに、平和理念主義の社民党と共産党、それにもう一つの存在があるべき政党体制だと思います。諸君はどう考えますか?

カタカナ外来語が目に余る 私が日本語破壊協会と揶揄するNHKのカタカナ外来語の濫用がますますひどくなっ ているようだ。民放テレビにいたっては話にならない。出演者には濫用に加えて誤用が目立つ。そこで、諸君にカタカナ外来語を五つ挙げて理解を試してみよう。

① トリアージ――フランス料理の一種。
② トラウマ――相性が悪い干支の組み合わせ。
③ コンシェルジェ――高級ホテルの格付け。
④ トリビア――西洋式噴水。
⑤ コラージュ――野菜に含まれる栄養素。

 大体、こんな語句を無節操に使う奴らには、聞き手が分からなければコミュニケーション(おっと、これもカタカナ語)にならないということが分からないのか?
 上記語句の右側に書いた説明はおふざけで、正解は本稿の最後に記す。

もう勢いを止められない流行表現
 2003年1月に刊行された小著『若者革命』の一節「キミをだめにする日本語表現」の中で、おかしな日本語が広まっていることを警告した。ここでは「かな」(または「いいな」)、「ーーという風に」の三つを挙げている。それが今、この三語区をセットにして会話の中で、政治家、芸人、スポーツ関係者が常用している様。そして、テレビの影響か、大衆から若者までの使用が蔓延している。諸君は流行に一線を引き、悪弊に染まらないようにしてほしい。
 ここでも断っておくが、私は仲間内の私的会話にケチを付けるわけではない。会合や会議の席では公式の日本語を使って意見や決意を述べることが良いと意味している。
 実例に即して説明しよう。
 先ず、会社の面接で目標を訊かれたとする。そこで、諸君が「ーーの専門家になれたらいいな、という風に思います」と答えたら減点されるだろう。決意の表明になっていないからだ。
 次に、テレビニュースでコメントを求められた選手が、「次もがんばりたいなという風に思います」と言っていた。私が思うに、「という風に」は他人の文言を引用する場合、また例えば、おもちゃの組み立てを一つひとつの手順を説明する場合に使われる。自分の考えを述べる時に「という風に」は単に無用の飾り言葉かもしれないが、どこかそらぞらしい。
 諸君には公式の場では頼りない日本語ではなく、武士の言葉で話してもらいたい。

締りがない鳩山饅頭と日本語 
 本稿#21(昨年12月)で鳩山前首相がよく使った「思い」、「~というもの」、「参りたい」の非論理的、飾り言葉、誤用に加えて、何でも頭に「お」をつける敬語の馬鹿丁寧さにうんざりしていた。リーダーがこれじゃ政治が混乱し、社会が緩むことは当然。
 その彼が東京工大で行った講演で、「政治や行政に、もっと科学的合理性を持たせた発想を生かす」なんて言っている。科学的合理性の発想に欠けたのは彼自身ではなかったか?
 私は小著『大阪がかわる 地方がかわる』の中で書いて以来、10数年もあちこちで饅頭論を訴えてきた。本稿でも書いた。それは、饅頭のあんこと皮に喩えて、あんこは合理性や道理など論理的な思考で、対するに皮は情念やしがらみなど非論理的思考というものだ。
 大阪の風土の弱さとして、行政や経営の改革において論理的思考が基礎に置かれないことを挙げている。つまり、あんこが練られないで皮をかぶせている饅頭みたいなものだ。講演などで饅頭論を出すと、「アメリカと違って、大阪は理屈ではない」とよく言われた。

 私は腹の中で、「あんこが大事なのはビジネスに対してであり,個人の私生活について言っているのではない。ちゃんと理解せんか!」と思ったものだ。
 今、大阪では橋下知事がわずかに薄皮を付けたあんこを議員や市長たちに投げつけている。これに対し、皮もあんこも区別がない彼らの思考では知事に歯が立つわけがない。

 《注記》アメリカで使われる英語の中にフランス語の語句が多く入ってきているが、最近の日本では、なぜこんなに多くフランス語系の語句が使われるのだろうか?
 ① 怪我人の救急において優先順を付けること。② 心の傷。③ ホテルの総合世話係。   
 ④ どうでもいい雑学知識。⑤ 一枚の写真に他の写真を入れる合成写真。
 


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