2009年7月11日土曜日

#7 プロ野球二軍と独立リーグ

 前回、ホリエモンのことに触れたところ、ホリエモン支持者軍団から反発や反感の意見が投稿欄に寄せられました。私は無関心と無反応がいちばん嫌いですから、たとえ個人攻撃を含む意見でも関心を持っていただいたことをありがたいと思います。真面目な話です。
 さて、前回ホリエモンという言葉を使うのに、蔑称のニュアンスがあるのではないかと気になり、事前にインターネットの百科事典Wikipediaで調べたところ、愛称と書かれていたのです。月刊誌の編集者なら「ホリエモンことライブドアの堀江貴文元社長」と訂正したかもしれません。初めて知ったことですが、ホリエモンとは、堀江元社長が持っていた競走馬の名前でした。
 一つ確認しておきますが、球団買収あるいは新球団設立についてオーナー会議が下した結論は、ライブドアより楽天の方が資金力に優る、そしてもっと重要なことは大阪を本拠地にするライブドアより仙台を本拠地とする楽天の事業案が高く評価されたのではなかったか。つまり、ファンの感情ではなく、ビジネスの論理に基づく結論だったのです。楽天の経営スタッフは大阪の野球市場の特性を理解していたのでしょう。(7/19/09筆者注記。この部分は投稿者から指摘の通り、誤認がありました。ライブドアも近鉄が売却に同意しなかったので仙台本拠地を提案しました。記憶に頼り、検証に気を抜いてミスしたことをお詫びします)
 ライブドア支持者が、球団を手放したい近鉄と買いたいライブドアの資金力を比較することは意味がないのです。
 今回、もう一度プロ野球について書きます。

プロ野球二軍と独立リーグ
 梅雨模様の日が続く中、からっと晴れた6月28日の日曜、鳴尾浜球場にウエスタンリーグの阪神・広島戦を観に行ってきた。鳴尾浜球場は甲子園球場からバスで10分くらい、総合体育公園の一角にある。
 私はプロ野球の試合を観戦する時には、試合開始の1時間以上前に球場に行き、両軍の打撃と守備の練習を観る。さすがプロ野球と感じさせてくれるからだ。しかし、試合の中盤で球場を去ることが多い。この日も試合開始12時半より1時間早く球場に着いた。公称500人収容とされているが、ざっと数えてみると600人を超える満員。試合が始まると入場制限がなされた。つまり、鉄のゲート前には何十人もの待ち人の列ができていた。因みに、入場料はタダ。私が試合半ばで球場を出ると、入れ替わりに待ち人の一人が入場を許された。
 隣りと後ろの家族連れに尋ねてみると、異口同音に「今夜、甲子園である阪神・横浜戦が満員でチケットを買えなかったので代わりに子供を連れてここに来た」、「インターネットで見たら、今日矢野がマスクをかぶるので来た」と言う。なんとタイガースファンとはありがたいものだ。5位に低迷していても甲子園は連日4万6千人を超える満員のファンで埋まっているという球団の強さよ。
 他方、一昨年、北神戸球場でオリックスの二軍サーパス神戸の試合を観た時には、3千人収容の球場には観客がぱらぱら、閑古鳥が鳴いていた。サーパスはスポンサーの不動産会社の名前であるが、今年は支援を降りた。
 さて、ウエスタンリーグは中日、阪神、オリックス、広島、ソフトバンクの5球団の二軍で構成される中、山口県岩国が本拠の広島カープを除いて、他は一軍と同じ都市にホーム球場がある。本来プロ野球が目指す地域立地にはなっていない。大リーグのマイナー球団が各地に散らばっているのとは大きな違いがある。
 二軍立地のこういう間隙を突かれて、最初のプロ野球独立リーグがプロ野球の空白地域である四国に、2005年に設立された。この四国アイランドリーグは当初4球団からスタートし、2008年には長崎と福岡が加わった。その後北陸・信越にBCリーグ、関西独立リーグが相次いで設立された。
 関西独立リーグは大阪、神戸、明石、和歌山の4球団に加えて来年からは三重が参加することになっている。この中では、大阪と神戸は一軍のみならず二軍の立地とも重複し、三つどもえの立地になっている。これまでは新味があり、メディアで話題に取り上げられてきた(全国紙の大阪版では独立リーグの試合結果が載っても、二軍の結果は出ない)が、最近になってリーグ運営会社が経営から撤退する事態になり、運営組織の再編がなされた。しかし、新組織に衣替えしたところで、市場環境は変わらないので、いずれ大阪か神戸の球団が奈良か大津あたりに移転を余儀なくされるだろう。
 考えてみてほしい。大手のコンビニやスーパーの経営者なら、二軍や独立リーグのような立地は取らない。
 
 前述した阪神・広島二軍戦ではバルディリスが阪神の4番だった。1週間後、彼は一軍に呼ばれてトップバッターとして晴れの舞台にデビュー。最初の打席でいきなりホームランを打った。彼はベネズエラ出身であるが、サンフランシスコの高校を卒業してマイナーリーグで選手生活。芽が出ないことに見切りをつけ、24歳の時来日、1年目は阪神のテストを受けて育成選手としてわずか3万ドルで契約した。2年目の今年は二軍で20万ドルの契約になった。どんなにほっとしただろうか。故障の赤星が復帰するとどうなるのか? バルディリスの活躍にエールを送りたい。  (完)


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3 コメント:

ダイスケ さんのコメント...

>そしてもっと重要なことは大阪を本拠地にするライブドアより仙台を本拠地とする楽天の事業案が高く評価された

ちょっと待って下さい……この勘違いはあんまりじゃありませんか?
本当に、当時の推移をしっかりとご覧になっていたのですか?

ライブドア球団の名前は、
「仙台ライブドアフェニックス」

楽天球団の名前は、
「東北楽天ゴールデンイーグルス」

どちらも、本拠地は仙台です。流れとしては、
近鉄を買いたいライブドア
→でもオリックスと近鉄の合併は決まったよ
→じゃあ本拠地を仙台にして新球団を作ります
→楽天も新規参入します
→楽天に決まりました

見たところ、野球に対しては結構まじめに考えられているようですが
この勘違いを見ると、どこまでしっかりと調べていたのか、と思ってしまいますよ。

このあたりの流れは、堀江さんの著書「僕は死なない」に書いてあったと思います。

しんたろう さんのコメント...

ダイスケさんに激しく同意。
というか、「プロ野球再編問題」は僕も興味をもって注目していましたが、岡本先生は大きな事実誤認されています(悪意はないと信じておりますが)。

正しくは、
→2004年に、近鉄とオリックスが合併しようとした。
→ライブドアが「うちが近鉄を買って、大阪ライブドアバッファローズにするから、合併やめてくれ」と主張。
→ライブドアの主張は通らず、オリックスと近鉄の合併が強行されることに決まってしまった。
→じゃあ、しょうがないから、ライブドアは、「本拠地を仙台にして、新球団として参入させてくれ」と新たに主張。
→楽天も仙台を本拠地にして「本拠地を仙台にして、新球団として参入したい」と主張。
→ともに仙台を本拠地とした、楽天案vsライブドア案の結果、楽天に軍配。

という流れでしょう。

僕はホリエモンのことは好きでも嫌いでもないですが、この記事は事実誤認がひどすぎて、ホリエモンがかわいそうです。大昔のことならともかく、2004年のことなんだから、新聞や雑誌のバックナンバーを見るだけで容易にチェックできるはず。キチンと裏をとって書くべきではありませんか?

匿名 さんのコメント...

耄碌したジジイは数年前の事なんか覚えていやしないんだろ。
適当な記憶で他人の批判をするくらいならさっさとくたばれ。

編集

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