2014年12月4日木曜日

#128 隠れ漁船軍団に警戒――中国政府は本当に強権か?

 中国のサンゴ密漁船がすごいな。
 マスコミでは事実の報道が使命だから、私のように自由な発想を伝えられない面があるにしても不満を感じます。もっとも、特にテレビの映像では事実の細切れを集めて嘘をつくれます。
  さあて、私の発想ゲームを披露しましょう。

中国サンゴ密漁船の陰に政府あり  

 今回、200隻を超える中国漁船が小笠原海域に現れた時、私は直感的に中国政府が背後にいると思った。
 あの上海での激しい反日デモのテレビニュースで、真新しい5メートル以上もある横断たれ幕、無数の旗、看板などを見た時、こんなものを失業者や学生が用意できるはずがないと思ったことを思い出した。あれは中国政府が日頃不満を抱く無収入者階級を利用して、日本政府を威嚇したのだろう。
  なぜ中国漁船群の背後に中国政府の影を見たか?
 いくら赤サンゴが一攫千金になるとは言え、200隻の中でうま味にありつけるのは高々1割だろう。食いっぱぐれの漁師にもこんなことは分かっている。それでいて大陸の母港から2千キロも離れた小笠原海域に出てくる。そのための燃料費、食糧費、人件費のコストは巨額になり、漁船オーナーが支えられるものではない。 誰が支援しているのかと言えば、中国政府しかない。
 

  中国政府の狙いは何か?
 これまで中国政府には手付かずだった太平洋の小笠原海域における日本の警備力を探るためだっただろう。そのためにボロ船まで集めて隠れ軍団を組織した。サンゴ漁には高度な技術は要らないし、真似ごとをしている漁師にはサンゴを獲れても獲れなくてもよかったのだ。 当然、本土から遠く、広い海域をカバーしきれない海保巡視船の限界を知っていた中国政府は、海上自衛隊の出方を見ようとしていた。
 しかし、海自は「来い、来い」には乗らなかった。
 日本政府が対応したことと言えば、海保が領海を侵犯した3隻の漁船を曳航し、船長を逮捕したことに加えて、罰金を急遽3千万円に上げたことだ。

次に何が起きるか?  

 海自艦艇と対峙したい中国海軍は、サンゴ漁を隠れ蓑にして組織した漁船軍団を尖閣諸島海域に配置してくるかもしれない。中国の中央政府は人民解放軍を統治できていないという専門家の診立てが現実なら、充分考えられることだ。
 200隻もの漁船群が尖閣の経済水域と領海に入り込んできたなら、もう対応はお手上げだろう。   
 過去に数十隻の中国漁船が黄海の韓国水域で違法操業を繰り返した時、韓国の巡視艇は取り締まりに手を焼いた。漁師たちは7,8隻の漁船をロープで束ねて曳航を妨害するばかりか、韓国艇の乗組員に対し鉄棒を振り回した。
 中国漁師たちは自国の沿岸で乱獲して魚が獲れなくなると、黄海の韓国水域で乱獲。軍事面に加えて、漁業面でも中国漁船群は尖閣に押し寄せることに疑いはない。
 かつてソ連時代に、ロシア人の漁船員が根室や小樽に上陸して、マナーの悪さや品性の低いことで嫌われた。バーやレストランで「ロシア人お断り」という張り紙が出たそうだ。
 私の推測であるが、中国人漁船員も当時のロシア人並みかもしれない。

北京の大気汚染と中国政府

 先般の北京APECの開催中は青空が甦った。
 中国政府は市内に乗り入れる車のナンバーで区分けして、総数を半分に規制し、近隣にある工場の操業を止めさせた。相変わらずその場しのぎの対策で外国人に対して体面を保った。 北京オリンピックの時も同じだった。外国人を気にする行事が終わると元の黙阿弥で少しも変わらない。 
 中国の中央政府は独裁強権であると言われるが、本当に強権を行使しているのか。 前述した東アジア海域に軍事基地をつくる人民解放軍のほかに、採算が取れる見通しもないのに新線を建設する鉄道省、汚職が常態の地方政府、決算書も信用できない国営企業に対しても、中央政府の強権が及んでいるとは思えない。               (完)


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