2014年4月12日土曜日

#112 外国人労働者より日本人の人材――政府の政策はその場しのぎ

 諸君は、日頃マスコミから多くの情報を得てそのまま鵜呑みにしているのではありませんか?
 一つの例が、政府の外国人労働者受け入れに関してはマスコミの報道は浅いことです。
 移民問題について前にも書きましたが、その時私が移民排斥者に思われた意見をもらいました。しかし、そうではありません。外国人労働者の受け入れは政府が移民問題としてとらえなければいけないと言っているのです。
 ここでは外国人労働者についてもう一歩踏み込んで書くことにします。諸君たちに深く関わることです。

台湾の学生デモからの教訓  

 先月の中頃だったか、台湾の学生集団が議会を占拠し、外には10万人を超える学生が座り込みをした。彼らの目的は政府が中国と締結した貿易協定に反対し、議会が批准することを阻止するためだった。世界各地で起きている反政府デモの中で特筆すべき点がある。
 それは学生リーダーが6年も前に貿易協定に反対する運動を、フェイスブックなどネット交信を通じて他の大学に連携を呼びかけた成果だった。今では一般市民にも広がり、デモ参加者は17万人になったという。
 諸君は私が提唱してきた「若者ネット」を憶えているか?そう、台湾の学生たちがやったことは「若者ネット」を組織したのだ。諸君たちも先ず外国人労働者の大量受け入れに反対するために「若者ネット」を立ちあげてほしい。必ず民意を広く興し、政府を動かすことができる。ただし、6年もかけておれない。

  ◇ 外国人労働者を大量に雇う?  

 政府が東北の復興工事と東京のオリンピック関連工事の人手不足に対応して外国人労働者の受け入れを広げるという。滞在期間を3年から5年に延ばし、研修という名目で大量に入国させる。若者にどういう影響が出るか?
 《その一》国内の建設労働者の賃金相場が下がる。 長時間できつい労働だから、賃金が高いのは当然。ゼネコンを定年退職した友達の話によれば、労働者はよく飲み代に使うが、酒を自制すれば金を貯めることができる賃金が支払われているという。諸君が身体を鍛えておけば、将来何をするにしても資金をつくれるはずだ。
 《その二》5年後に離職した外国人労働者はかなりの割合で日本に住みたがる。 これは前回に日系ブラジル人を多く入国させ、中小企業を中心に労働者不足を埋めたが その後も多くが日本にとどまった実例がある。今以上に自治体やボランティアが人助け できるかどうか。
 《その三》今回は、ブラジル人に限らず、中国、中東、アフリカから労働者が入ってく る。 彼らはヨーロッパ各国ではもう歓迎されないし、職も得られない。 例えば、シンガポールやサウジのように建設労働者は外国人を使うことが国策で、工事が 終われば労働者を国外に退去させ、移住を認めない。実行する強権がある。
  対して、日本政府には彼らの国外退去を実行できるような体制が備わっていない。
 《その四》。日本語も英語も分からない、宗教の違いもある彼らを使うとすれば、現場監 督の苦労は大変なものだ。 アメリカでは建設現場で電気工を始め、体力が要る労働に女性が働いていることは珍し くない。経験がなくとも若者を雇用し、工事の職種で女性部隊をつくることもできる。 政府が外国人の研修に金を使うより、日本人の研修を支援する方が生き金というものだ。

介護士、看護士、保育士の人材も不足  

 介護士を例にして説明してみよう。  私の母が民営の特別養護老人ホームに世話になっていた時、親しくなった幹部や若い介護士と話す機会があった。要点だけを書くと、幹部の話では経営が難しいので7割の職員を非正規雇用に頼っているという。給料も安いので資格を持つ介護士でさえ退職が多い。実際、よく人が入れ換わった。転職、つまり介護職を止めて他の仕事に就くのだそうだ。もったいない。
 他方、若い介護士によれば、夫婦が同じ職場で共稼ぎしてやっと一人の子供を育てることがぎりぎりだという。参考までに、私が通っていたスポーツクラブでは7割以上が非正規雇用の社員で、若い社員は結婚もできないと言っていた。
 顧みれば、2000年頃から全国で福祉学部、OO福祉大学、福祉専門学校が新設されたにも関わらず、卒業生の多くが福祉の仕事に就かないために依然として人手不足が解消されていない。せっかくの投資が生かされないのは処遇が悪いからだ。

諸君が「若者ネット」で政府に要求すること

 1) 先ず、日本人、特に若者の人材を活用することに予算を使え。
 2) その上で外国人労働者は選別して少しずつ日本に入れよ。         (完)


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