2013年9月28日土曜日

#100 大黒屋兵蔵とジョン万次郎ーー諸君は武士市民たれ

 最近の月刊誌や週刊誌の韓国叩きはすさまじいな。

 日本人の多くが煽られているかもしれないが、諸君は冷静になりましょう。
今回は100回に当たり、諸君に江戸時代の隠れた偉人の日本人について考えてもらいたいと思います。 

  大黒屋平蔵とジョン万次郎

 一人目は、大黒屋兵蔵(光太夫)。彼は廻船の船頭で1782年に三重県白子の港から江戸に向かう途中、嵐に遭って漂流し、アリューシャン列島の島に漂着した。島民とともに島で生活してロシア語を学んだ。後年、探検隊に随行して当時の首都サンクトペルグでエカチェリーナ女帝に謁見する機会を得た。  
 謁見の席で居並ぶ高官たちを彼の識見と礼節のレベルが高いことで感服させた。「たかが小さな漁船の船長でこの識見と礼節を身につけているとは、一体日本はどんな国なのだ」と。私ははるか昔にテレビドラマで観た。先人を日本人として誇りに思ったことが記憶に残っている。

二人目は、ジョン(仲濱)万次郎。土佐で家が貧しくて働かなければならなかった彼は漁船に乗って手伝いをしていた。14歳の時、嵐に遭い、漁船が漂流して4日後に無人島に上陸、ここで140日以上生活した。幸運にもアメリカの捕鯨船に助けられて渡米。捕鯨船の船長に頭の良さを見込まれて養子になった彼は、アメリカで教育を受け、首席で大学を卒業した。
 遭難してから11年後、帰国した彼は幕府から士分に取り立てられ、通訳としてだけではなく、日米和親条約の締結に貢献した。

 

  諸君よ、武士たれ

 
 東京で過激な韓国嫌いの一団が韓国人街にデモを仕掛けて、韓国人をののしる言葉を浴びせたという。襲われた韓国系の人たちは大半が日本国籍を持つか、日本国籍を持たなくとも在日かだろう。標的が間違っている。一団は私が言う中国のネット紅衛兵のレベルと変わらない。日本人として恥ずかしいことだ。どうしてもデモをやりたいのなら、韓国大使館に行くべきだった。
 彼らは武士ではない。なぜなら識見も礼節も持たないからだ。
 今ではデモの映像が世界に流れる。「なんだ日本もこんな程度か」と見られかねない。

 若者諸君の中で一割が武士の心構えを持ってくれれば日本を危うくすることはないだろう。武士というのは喩えの話であり、他と階級差別をするわけではない。氏素性も学歴も関係がなく、誰でも武士になれる。大黒屋と万次郎を例に挙げたのも、2人が武士の家に生まれず、自らの努力で武士の心構えを身につけたからだ。武士をリーダーと置き換えてもよい。職業は問わない。
 もう一つ武士またはリーダーの資質に「自己抑制」を挙げることができる。 

  李氏朝鮮の末期と近代史

  韓流ドラマの歴史物を1,2回短時間観たことがある。三国時代の抗争物語では華やかな衣装を着た国王と宮中貴族が中心で、ほとんど貧しい民衆は出てこなかった。日本で言えば、奈良時代か平安時代初期のことか。韓国ドラマはここから現代物に飛んで中間の時代を描くドラマはないようだ。
 私は李王朝の末期、日本なら幕末の時代がどのように描かれるか観たいのだが、韓国歴史では惨めな時代だから市民視聴者に受けないのだろうか。

 さて、幕末にあたる頃、日本と同じように、朝鮮政府では開国派と鎖国派が抗争していた。欧米列強は開国を要求して海軍が朝鮮を攻撃したが、最初は1866年のフランスだった。
 ペリーの黒船が来たのは1853年、列強4ヶ国が下関を砲撃したのは1864年のことだから、当時政府間で外交関係があった朝鮮には、日本で何が起きているかの情報が伝わっていたはずだ。それでも朝鮮は対応できず、宮中クーデターを起こすなど混乱した。

  日本が日清戦争に勝利した以後、日本は朝鮮に対して外交を、次いで内政を移管し、最後に1910年日韓併合によって支配した。ここに李氏朝鮮が滅んだ。北からのソ連の圧迫に対応するためだったとされる。日露戦争に判定勝ち(ノックアウトしなかった)してから5年後のことだった。
 韓国人はこれを認めないだろう。認めるような歴史教育をしないだろう。 

  韓国政府が日本の魚を輸入禁止

 韓国政府が原発からの汚染水が海に流れたという理由で、東北地方8県からの魚の輸入を禁止した。
 この中に海がない、したがって漁業をしていない栃木県と群馬県が含まれているのはお笑いか。怨念に縛られているのか、理性を歪めている。韓国政府関係者は地理にうといのだろう。韓国の魚消費の15%を占めるという日本産の輸入業者には大変な打撃だろう。

 もっとも、韓国を知る私でさえ、韓国に八つある「道」(県か州に相当)のうち京畿道と済州道の二つしか今挙げられない。他国のことをあれこれ言えないか。
 さて、諸君は韓国の「道」をいくつ知っているか?         
                                          (完)

 


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