2013年1月10日木曜日

#84 新年に思いつくままーー政治を愚弄するな

 年末、年始は体調不良で考えることに気力が湧きません。まあ、なんでもよいから、思いつくままに書いてみることにしました。  『若者塾』は私と同じ世代の読者が多いと聞き、若者世代にメッセージが届いていないようで、今回は若者世代を意識しないで書いてみます。年寄りのぼやきです。

◇ 紅白歌合戦はダンス合戦か
 
 NHK紅白歌合戦は最近ずっと観ていない。例年、炬燵でうたた寝しながら、家内が観ているので、除夜の鐘まで仕方なく聴いている。なんと歌手とは言えないようなダンサーのグループが歌う曲の多いことか。男女ともに低音は出せないし、高音は裏声でごまかしている。彼ら、彼女らは和音をつけてコーラスもできない。
 ああ、フランク・永井、水原弘、尾崎紀世彦、青江美奈、岸洋子など心に響いてくる本物の歌手はみんな亡くなった。バーブ佐竹という歌手もいたな。  デューク・エイセス、ダークダックス、ボニー・ジャックスのコーラスグループの後継者もいない。ピーナッツの二重唱もきれいだった。歌手なら高音、低音のハーモニーくらい歌ってみろよ。  ロック歌手が歌う曲もメロディが印象に残らない。楽器はうまいにしても、声が貧弱。

 少しは政治と政治家に敬意を払え

 年末に不快感と腹立ちを覚える地元新聞の寄稿文が出た。作家の曽野綾子が、「落ちるべき人間は落ちたが」という見出しで民主党の選挙敗北をあしざまに書いたものだ。冒頭の部分を引用してみよう。この後もえんえんと政治家の悪口を書いている。

 
 (引用)12月16日の日曜日は、日本国民にとって「ハッピー・サンデー」になった。第46回衆議院議員選挙が行われた結果、自民党が大勝したから、ではなく、民主党がやっと政権の場から去っていってくれたからである。「バカがいなくなってほんとうによかった」と手放しで喜ぶ女性が、私の周囲にかなりいたのである。(以下略)

 地元新聞は、彼女が「終戦前後の10カ月間、金沢市で過ごす」と紹介して、これだけの縁で東京の作家に寄稿を求めた。よくある地方で東京の人材を有難がる例だろう。
 曽野先生よ、あなたの作品とは落差が大きいこんな文を書いたのは感情に流されたのだろう。事は井戸端会議で主婦たちがうさを晴らすのとはわけが違うのだ。地方新聞と言え、天下の公器なのだからなめてはいけない。また読者をなめてはならない。  
 その上、「日本国民」とか「民主党」とかを一つの括弧にして論じるミスをした。どれにもピンからキリまでを含むにもかかわらずだ。政治家にも、そして作家にもピンからキリまでいるものだ。
 若者諸君、誰が何を言おうとも、日本の政治を良くするには政治家に頼らなければならない。世間の風潮に惑わされず、少しは政治家に敬意を払おうではないか。
 今回、不幸にして落選した候補者は、選挙運動期間はもとより、事前準備や後始末に大変な労力を費やした。その努力に敬意を払いたい。

  ◇ “DON’T GIVE UP THE SHIP”  
 

   年末にアメリカの古い友達が大きな旗を送ってきた。青地に白の文字で書かれた表題は、訳すると「艦をあきらめるな」。
 1813年(江戸時代、文化10年)米英海軍が戦ったエリー湖海戦で劣勢であった時、米海軍のオリバー・ペリー提督(正確には代将司令官)が全軍に「艦をあきらめるな」と檄を飛ばして勇気づけ、後にこの海戦に勝利した。
 エリー湖(琵琶湖の38倍)は友達と私が住んでいた町から北に50キロの距離で近い。そのために地域では「艦をあきらめるな」はよく知られている。
 因みに、この海軍の英雄であるオリバー・ペリーは、日本に黒船を率いてきたマシュー・ペリーの実兄である。
 年始に当たり、諸君に贈る。「キミの艦をあきらめるな」、私もあきらめない。                                  
                       (完)


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