2010年7月4日日曜日

ネット月刊誌『言論大阪』#3,7月、2010

  大阪都より大阪市を日本第二の都市に復活
   ――大阪市の面積は横浜市の半分にすぎない――
                      経営評論家・岡本 博志
  
 橋下大阪府知事が提唱する大阪都構想は人心を一新し、次世代のために大阪に活気を蘇らせる効果があることを評価できる。しかし、そのためには条例や法律を改正する法的手続きが必要である。
 私は大阪都構想や関西広域連合の前に大阪市と隣接する周辺都市を合併し、横浜市に次いで日本第三の都市である大阪市を再び第二の都市にすることを提唱したい。この新大阪市構想は、橋下知事の大阪都構想を進める障害にはならない。
 

  大阪市の面積は横浜市の半分

  先ず、下記の表をご覧いただきたい。
    
  大阪市と横浜市、神戸市、京都市の比較

           面 積 ㎢   人 口  千人
   大阪市     227       2,663
   横浜市     437       3.673
   神戸市     552       1,536
   京都市     827       1,770

 これから分かるように、大阪市の面積は横浜市の約半分に過ぎず、神戸市は大阪市の2.4倍、京都市にいたっては3.6倍もの違いがある。神戸、京都の両市とも積極的に周辺市町村との合併を進めてきた。振り返ってみると、横浜市が大阪市の人口を上回ったのは1980年代の初めであった。これに対し、大阪市は30年もの間、現状維持のままにしてきた。この間、
私が知る限りでは、経済界からも、市民からも大阪市拡大合併の話を聞いたことがないことを不思議に感じるほどだ。メディアも取り上げることがなかった 。
 今や、日本第二の都市である横浜市と大阪市の間では約100万人の開きができてしまった。「大阪市は昼間人口では今も日本の第二の都市や」、「都市の風格では大阪が上」という声があるが、世界の統計では住人人口が基準なのであり、世界中の観光ガイドや人口統計では大阪市は日本第三の都市なのである。
 正確な記述では、横浜市を「日本最大の市町村」としているが、これは東京都が県に相当し、都市に見られないことによる。しかし、戦前は東京市であった特別23区に限っても、東京は日本最大の都市であるから、やはり世界の統計では東京、横浜、大阪の順にされている。

 
  京都市と神戸市では合併を促進

 実例を挙げてみよう。
 京都市の北、かつての北桑田郡京北町山国は南北朝時代に光厳院上皇が蟄居した村として知られ、常照皇寺がある。ここは合併により現在は京都市右京区になった。その昔、京都駅から国鉄バスで2時間以上かかったこの寒村が京都市とは驚く。
 有馬温泉までは都心から六甲山を超えて電車かバスで1時間以上かかる。今ここは神戸市北区である。このような広域合併は全国にいくらでもあるだろう。
 そこで、大阪市と隣接する豊中、吹田、守口、東大阪、八尾の5市を合併すると、新大阪市の人口は432万人となり、横浜市を約70万人超えることになる。 それでも面積は410㎢で横浜市より狭い。
 驚くことはない。何十年もの間、これらの隣接市のほとんどは大阪市の市外局番06に含まれて広域経営区になってきた。神埼川の対岸に位置する兵庫県尼崎市でさえ、昔から大阪市と同じ局番06だ。大阪市営地下鉄の路線も延びており、広域行政区になっている。合併に何も感じず、動かなかったのは各市の行政だけだった。経済界も市民も動こうとしなかった。

 合併で無理やり人口を増やしてなんの意味があるのか? こう反論されるかもしれない。しかし、私は大阪市の都市としての勢いには名実ともに大事であると信じる。名とは言うまでもなく第二の都市の地位を取り戻すことである。

  平松市長に仕掛け花火を求める 

 合併構想でも何でも、友達は「大阪は地域エゴをぶつけ合うだけでバラバラ」と言う。私は言う。「大阪はどこかだらっとしていて締りがなく、感性が鈍い風土」と。
 これまで平松大阪市長は橋下知事が次々と打ち出す改革提案に振り回されて受身であったと思う。ここらで「大大阪市」を実現するために、大阪市独自の仕掛け花火を打ち上げてもらいたい。命名して「西の横綱」花火としよう。
 はたして、大阪は目覚めるか?
            (完)


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