2009年12月9日水曜日

#20 トヨタとGMの経営

 「若者塾」の閲覧者数が少しずつながら増えています。人気ブログと比べればはるかに少ないかもしれませんが、新製品の売り上げが増えるまでの潜伏期間みたいなものです。先月まで全国の読者動向を知るために、意図して地元の友達には紹介しませんでしたが、ぼつぼつ地元読者にも広報を始めました。
 顧みれば、1999年に主宰する会でホームページを立ち上げた時には、しばらくの間月に30人という期間がありました。それが数年後に3000を超えましたものの、間もなく300余りに減ってしまいました。私の再挑戦がどうなりますか。
 友達からは「まだ穏やか過ぎるから、もっとどぎついことを書け」、「長過ぎる」、「内容が硬い」、「週に一回は書け」と言われていますが、今は迷っています。テレビで時々観るバラエティ番組で極言を売り物にしている出演者に抵抗を感じているのです。はて、本当に大事なことをバラエティ番組流に面白くできるのか、岡本博志は殻を破れるか?
 一つお願いがあります。それはご意見をメールではなく、ブログのCOMMENTとして出してほしいことです。反発と反対のご意見もあるはずです。

 今回は、#18に関連して雇用条件について事例比較を書きます。

   トヨタとGMの経営比較について

両社の労使条件の違い
 皆さんがご存じのように、サブプライムローンに端を発した世界的な金融危機によって、車メーカーの雄であるトヨタもGMも経営危機に見舞われた。日米両国政府による直接的間接的な救援政策によって両社とも回復の兆しを見せている。
  両社の危機は、共通しているように見えても、経営環境から見ると大きな違いがある。
  先ず、GMを含めてビッグスリーには最強労働組合があり、正規社員以外を雇用できない。高収益経営の時代が長年続いたため、この間に労組の要求を入れて賃金を上げてきた。管理者は労働者の賃金上昇以上に昇給を手にし、経営者はさらに上回る給料と高額のボーナスを得てきた。世界市場で競争が高まる時代において人事コストが重荷になったのだ。
  これに対し、労組とうまくやってきたトヨタは、実はその陰で派遣労働者と期間工の非正規社員を存分に使ってきた。この違いは今後も経営再建に大きな違いが出るだろう。

  さらに、ビッグスリーは退職者の年金や健康保険の福祉制度が手厚いことで知られる。
 私がアメリカ企業に勤務していた時、訪問していたビッグスリーの技術者が入社理由として厚遇の福祉制度を挙げていた。私の思い込みに反して、ビッグスリーには定年まで勤める社員の割合が高い。ビッグスリーは同業との競争より、新興の産業との競争の中で、優秀な社員を採用するために福祉制度で勝負してきた一面がある。これからも重荷になるが、どう対応するのだろうか。

GMの金融子会社
 GMの経営破綻は小型車軽視の経営にあるが、直接の原因は金融子会社がもともと支払い能力がない買い手に無理矢理に融資して車を売ってきたことにある。
 これに対し、トヨタはこんな無茶をやらなかった。戦前に日本で初めて車の月賦販売を始めて以来、金融でも財力をつけてきた。年度決算では巨額の赤字を出したが、まだ全社として資金力がある。
 このトヨタが再び派遣労働者と期間工の採用を増やし始めた。今は非常時であり、少しでも雇用を増やすために大きな改革は両刃の剣になる恐れがある。しかし、長期的にこのままでよいのか? 
  一つの案として、派遣人材の雇用期間を6ヶ月に限定し、この期間を超えて雇用する場合は正社員にしなければならないという規制を法改正によって実施することがある。雇用する側には試用期間でもあり、一方的に不利にならない。アメリカでは派遣会社から採る人材に対しては期間が90日以内に規制されており、期間内に人材が不適格なら代わりの人材を求めるか、正社員として雇わなければならない。

 労働者の権利を守るべき労働組合はどう対応するのか?
 諸君の時代には今のままでよいはずがない。


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1 コメント:

さいきゆみ さんのコメント...

最近、スポーツセンター感覚で深夜の工場のバイトというのを大学生以来でしました。将来が不安になって…。非常に運動になり、たまに行くにはいいなぁと思ってしまいました。
それはさておき…、
で、いろいろ日本の雇用について考えさせられたのですが、明*製菓、○大ハム、味●下などの大手工場ラインの主婦のバイトというのは、数か月で必ず雇用を終了し、新しくバイトを募集し、半年務めると有給休暇を出さないといけないという法律を守らなくてもいいようにしているようです。

そんな法律があったために、私のような素人でも職にありつけたらしいです。ワークシェアリングの感覚で、それも悪くないのかもしれませんが、外国人労働者が研修という名前で驚くほど安く働かされているために、日本人の主婦のパートが働けなくなっているなど、日本の雇用情勢の法整備には実情に合ってないのではないかという気がします。

この、人類存亡の危機ともいえる不景気に政府の経済対策は確かにリッパですが、お金をどうのこうのするよりも、本音で語って企業が頑張れる状態にしてやることも必要ではないでしょうか? 子ども手当などをいたずらに増やしても、おそらく母子家庭を増やすだけではないかと思っております。

赤字国債の発行額を考えると私の家計よりひどいのではないかと心配してしまいました。

とにかく、不景気には働くしかない。朝は4時半のお弁当やさんのバイトをしていて、年末なので夜は10時まで工場で頑張る主婦の話などを聞いていると、日本人の頑張る力は本当にすばらしいと思います。本来、日本人は勤勉なんです。みんな超節約で暖房つけないとかいろんな話を聞き、思わず元気になってしまったしだいです。

編集

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