#183 北朝鮮の行方と難民問題ーーヨーロッパの極右政党
今、ヨーロッパの各国で極右政党が国会の議席を得て台頭しています。彼らの共通点は大量の移民が流入して社会の混乱を招いていることへの反発です。
さて、日本では極右政党が出てこないのはなぜでしょうか?
一つは移民や難民の大量流入がないからでしょう。これからはどうなるのでしょうか。
諸君の時代には北朝鮮からの難民の問題が起きます。どう考えますか?
◇ 北朝鮮はどうなるか
私は年来ビジネスでも政治でも一つの問題について戦略を考えることが好きだった。今も変わらない。
今朝、朝鮮半島の地図を見ていて戦略的に思考をめぐらせた。
先ず動かせない事実は、金委員長が交渉に乗ろうと乗るまいと核とミサイルを放棄することはないということだ。もし放棄すれば彼は地位を失い、体制が崩壊するからだ。
アメリカを敵国として煽り、国民をあざむいている。交渉か圧力かという議論はむなしい。
アメリカは表向きでは外交的解決を語る間に、北朝鮮のあらゆる情報を集めて攻撃の準備を進めてきた。今や準備は整ったと思う。
アメリカ軍は先ず国境近くに配備されている北朝鮮長距離砲部隊を、素早く戦闘機と爆撃機で絨毯爆撃する。その間に、海上から空母と駆逐艦からミサイルのトマホークで北朝鮮の核基地とミサイル基地を破壊する。さらに首都周辺の基地を攻撃する。
これでソウルの被害を最小にできる。我々は北朝鮮による「ソウルを火の海にする」という脅しをまともに受けてきたと思う。
首都ピョンヤンの市民と軍人はアメリカの脅威について完全に洗脳されているかもしれないが、疑いを持っている北部の市民と軍人は大挙して中国に逃げるだろう。
北朝鮮の体制が崩壊した後は中国に統治させる。アメリカは関与しないだろう。もともと北朝鮮には関わりがなかったのだから。
こんなことは外野席の私よりアメリカの軍事プロには分かっているだろう。
そして中国政府は望まないかもしれないが、彼らは38度線を守る必要があるから他に選択がない。中国式の一党独裁政治が持ち込まれる。選挙により指導者を選ぶ先進国流の民主主義が混乱を招くことに比べれば、独裁がまだましだ。国連の委任統治も成功しないだろう。北朝鮮の核が除かれるなら世界も支持するはずだ。
◇ アメリカの軍隊と軍需産業
世論ではアメリカの攻撃はあまり支持されていないようだが、いつものことながら、軍事産業からの圧力がある。湾岸戦争からイラク攻撃までそうだった。
町の友達数人は、アメリカの軍隊は一定期間に戦争をしないと組織がもたないのだと言っていた。映画の話だからどこまで信用できるか分からないが、ベトナム戦争を主導したジョンソン大統領が、「きみたちに戦争をやるから、私の選挙を支援しろ」というシーンがあった。軍事産業も戦争なしではもたないのだろう。
今、アメリカの軍隊も軍事産業も金委員長の次の一手できっかけを待っている。
◇ 北朝鮮からの難民
北朝鮮が崩壊すれば中国や韓国に難民が押し寄せる。在日朝鮮人の組織がある日本にも海路来るだろう。彼らは命がけなのだから日本海の荒波など恐れない。
人口2500万人の国から一割が来ても25万人。現在北朝鮮系の在日は約30万人と言われるから、これと比較しても新規の北朝鮮難民に日本政府が対応することは難しい。
もっとも、ヨーロッパには100万人を超える難民がアフリカから流入していることに比べれば大したことないという意見があるかもしれないが、今は年に30人くらいの難民認定をしていないから、大変なことだ。
さて、世論はどう動くか?
◇ 日本の極右勢力
今は自民党の一強体制だから、右翼が活躍する状況ではない。しかし、今の自民党は田中元首相が言ったように総合商社化しており、政策が広がり過ぎている。世論に迎合して本来の国益を重視する保守党ではなくなろうとしている。
無理に膨らませた風船はいずれ萎むものだ。
そこで、大量の難民が押し寄せた時、内外の世論によって人道主義の高まりに対して論理的に対応できるかどうか。その時の批判に耐えられるか。自民党が腰くだけになり、
旧来の左派の人道主義者が勢いづくと右翼が台頭する隙を与えることになろう。
我々年寄り世代が生きている間に難民の国難が起きるか、起きても眺めて過ごすだけで力にはなれない。
さて、諸君は「情」に流されず、冷静に「理」につけるか?
(完)
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